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「欧米流」の会計基準に見え隠れするこれだけの違和感 日経平均5万円超えでも恩恵を感じられない今を読み解く視点

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日本人が信じる欧米流の会計基準。果たしてどこまで”妥当”なのでしょうか? (画像:aijiro / PIXTA)
  • 瀧澤 信 複眼経済塾・塾頭
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1つ目が「株価純資産方式」というものです。ひと言でいえば、バランスシート(貸借対照表、B / S)に書いてある内容が、素直に価値として正しいという考え方です。B / Sは左側に資産、右側は負債と純資産に分けられますが、純資産の価格がイコール会社の価値だと捉えます。

ただ、純資産というのはその瞬間の価値としては正しいかもしれないですが、その会社の将来の価値まではそこには入っていません。

そこで、現在のマーケットこそが正しいはずだという「マーケット至上主義」の発想が出てきます。それが2つ目で、「批准会社方式」や「類似会社方式」といいます。その会社と似たような会社がマーケットでどれくらい評価されているか、ここと似たような評価になるだろうと推測していく考え方です。

そして、3つ目が「ディスカウント・キャッシュフロー(Discounted Cash Flow)」、いわゆるDCFと呼ばれるものです。その会社の将来の利益を計算してそれを現在の価値に割り戻しすると、現在の企業価値が分かるというものです。

「DCFモデルで企業価値を算定する」などと言われると、何か高度な数学モデルで計算された先進的なものと思ってしまいます。金融界でよくある話ですが、欧米由来の横文字で表されていると、それだけで何やら本格的でカッコいいと感じてしまうものです。

「未来のキャッシュフロー」予測の裏側

しかし、そもそも「未来のキャッシュフローってどうやって予測できるのか」という問題があります。そこでまず、DCFを考える前にキャッシュフローとは何かを理解していただければと思います。

キャッシュフローというのは、読んで字のごとく、現金の流れ、という意味です。別に現金の出し入れの流れだけの話であれば、P / L(損益計算書)の売り上げやら利益やらを見れば、事足りるはずです。ただ、実はP / Lにはいくつか、企業価値を算定するうえでの欠点が存在します。というのも、P / Lはどちらかというと「税金」を正しく計算するために作られているようなところがあり、実態的な「現金」の出入りは正確には表現されていない面があるためです。

その最も顕著なところは、Depriciation といわれる減価償却費です。減価償却費というのは、何か資産(Asset)を購入した際、その購入費用は一括で費用に計上するのではなくて、何年かに分けて費用に計上しなさい、という税務上のルールがあります。

たとえば、高額パソコンを1台購入したとします。価格は50 万円です。本来、このパソコンは最初に50 万円を支払って購入していますから、キャッシュフローは、買った第1期に50 万円がマイナス計上されます(支払いはキャッシュの流出ですからマイナスになります)。

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