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「バックアップしたのに戻せない!」備える企業は9割超でも復元成功は約2割という"罠"…問題の本質は「見えざる分断」

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PCの前で話し合う従業員の様子
サイバー攻撃後、そのバックアップは本当に役立つ?(画像:Lukas / PIXTA)
  • 岡田 良太郎 アスタリスク・リサーチ 代表取締役
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バックアップが「あるのに使えない」という問題は、技術の失敗ではなく、まさにこの分断が生んだものだろう。

監査やコンプライアンスチェックも、この分断を見逃しがちだ。チェックリストに「バックアップを取得しているか」という項目はある。しかし「復元できるか」「テストしているか」「復元目標を経営者が定めているか」という項目は抜けていることが多い。

結果として、「バックアップを取ったから大丈夫」と思い込んでしまう。リスクが高いにもかかわらず、誰も現状を変えようとしなかった結果が「復元できたのはわずか2割」というわけだ。

セキュリティ対策で陥りがちな「手段先行」

まず自社のことを振り返ったとき、どれくらいの停止期間で、どの状態まで復元することが目標になっているか。その問いに、今すぐ答えられるだろうか。

この問いへの答えが、バックアップ設計の出発点であり、IT部門とベンダーに渡すべき要件の必須要素だ。こうして初めて、バックアップが単なる形式的調達から、ビジネスにとって実質のある復旧手段として整備される。

今回はバックアップを題材にしたが、同じ構造の問題は実はセキュリティリスク対策のほかの場面にも、広く潜んでいると筆者は考える。

同業他社もやっているし、コンサルタント会社が勧めるからEDRを導入した、脆弱性診断をやった、インシデント対応契約を結んだ――それぞれに予算をかけ、担当者が動いた。「やってる感」はある。

しかし「何のためか」という目的が経営レベルで定まっていなければ、いざインシデントが起こったときに適切に対応できず、被害の拡大を阻止できないおそれがある。

手段が先行し、目的が後から追いかける、あるいは追いかけることすら忘れる……。そういった構造は、バックアップに限った話ではないだろう。目的を踏まえた検討と、現実に即した戦術の改善をぜひ続けてほしい。

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