よかれと思ってやったことが必ずしも意図した結果を招くとは限らない。その最たる事例が、国の少子化対策と言えます。
少子化対策については、すでに将来の危機を見越して90年代から着手し、2007年には少子化担当大臣を設置。国全体の少子化対策に関係する家族関係政府支出予算はこの2007年から2023年にかけて実に3倍増の総額11兆円を超えるほどにまで拡大(こども家庭庁だけではなく、他の省庁や自治体の予算も含めたもの)したものの、残念ながらその間で出生数は逆に3割も減少してしまいました。
「少子化対策の予算をかければ出生率は改善する」などという有識者の言説をメディアはこぞって報道していましたが、こうした過去のエビデンスに基づけば、そんな因果はないことは明らかです。もちろん、だからといって「予算を減らせば出生率は改善する」などと暴論を言うつもりはありませんが、国が長年実施してきた少子化対策が成果をあげていないことは間違いないでしょう。
子育て支援政策に偏重している
どこが的外れだったのでしょうか。それは、あまりに少子化対策の名のもとでやられた政策が子育て支援政策に偏重してきたことにあります。「少子化とは子どもが生まれない問題だ」→「子育て支援を充実させれば夫婦が子どもを産めるようになる」と考えるのもわからなくはないですが、少子化の根本原因はそこではありません。そもそもスタート地点から間違えていたわけです。
実際、一人以上子どもを産んだ夫婦の子どもの数は、大体2人で、これは1980年代と比べても遜色ありません。子どものいない夫婦を合算した全体でも2021年時点でまだ1.81人ほどの数字です。つまり、夫婦が子どもを産む数が減っているのではなく、未婚化で夫婦の数が減っていること、および、結婚しても子どもがない無子夫婦が増えていることにこそ要因があります。
つまりは、子どもの数0→1人が産まれないことが少子化の原因なのです。しかも、それは、20代の第一子出生数の増減いかんですべてが決定するという話は過去記事でもお伝えした通りです(参照→日本の出生数が過去最小になった「本当の原因」)。



















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