中間層以下の若者は結婚が遠のいていく…「子育て支援」に巨額資金を投じても日本の少子化が止まらない"当然の理由"

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なぜ、こうした経済階級による差が出てくるのでしょうか。それが冒頭に述べた通り、よかれと思ってやった子育て支援偏重の政策が、皮肉にも経済階級によって「結婚できる・子どもを持てる」の壁を作ってしまったのです。どれだけ子育て支援を充実させても、それで新たに子を産もうというインセンティブにはなりません。これは日本に限らず、欧州や東アジアなどの諸国でも証明済みです。むしろ、それは今いる子への投資選好が高まり、かえって子育てコストを上昇させます。

子育て支援での児童手当や各種無償化など福祉サービスの充実は、それがあるのが当たり前という新たなベースを作ったにすぎず、子有世帯には恩恵がある反面、これから結婚しようという若者に対しては、謎に「結婚や子育てをする経済的最低条件だけが上昇した」ように見えてしまうのです。

実際、25-39歳で結婚する世帯年収は10年間で500万円台から700万円台へとインフレしてしまいました。これは、今まで結婚できていた中間層以下ができなくなって上位層だけが変わらず結婚できているからです。そうして上位層しか結婚できなくなり、中間層の未婚率があがり、全体の結婚世帯数そのものが減った。結婚世帯が減れば、それだけ出生の母数が減るわけで、必ず出生減となる。これが少子化の正体なのです。

給付のために負担を増やすのは本末転倒

子育て支援をやるなという話をしているのではありません。それはそれでやるべきですが、子育て支援は少子化対策には直結しないという現実とそろそろ向き合う必要があります。繰り返しますが、少子化は、20代の婚姻減とそれにともなう20代での第一子出生率の減少に尽きます。

そして、今まで述べてきた通り、それらが減少しているのは全て中間層以下の若者です。少なくとも上位3割は減っていません。課題は明らかで、全体の中央値でもある世帯年収500万円台でも安心して結婚や子どもを育てられると思える構造を作り直さない限り、決して少子化は解決しないでしょう。

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