中間層以下の若者は結婚が遠のいていく…「子育て支援」に巨額資金を投じても日本の少子化が止まらない"当然の理由"

✎ 1〜 ✎ 134 ✎ 135 ✎ 136 ✎ 137
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

しかし、これが2022年になると分布の形が大きく変わります。総世帯に比べて、子有と子無含めて夫婦の世帯年収は大幅に上位にスライドしています。中央値の増加率も総世帯17%増なのに対し、夫婦子無し世帯は31%増、夫婦子有り世帯は40%増です。これは夫婦世帯の年収があがって喜ばしいという話ではありません。逆に、年収がこれだけなければ結婚も子どもを持つこともできなくなったことを意味します。

年収で分けて見てみると…

世帯年収の絶対額ではなく、年収階級で下位30%までの下位層、下位30%から上位30%までの中間層、上位30%以上の上位層の3つの階層に分けて、2012年から2022年にかけて、夫婦の子有率の変化と未婚単身世帯率の変化を見てみます。

結婚した夫婦の子有率は、上位層も中間層も約3ptほど下がっていますが、とはいえ、中間層以上は割合としては約8割が子有で、結婚すれば子どもを産むという傾向は10年前とさほど変わっていません。唯一、下位層だけが▲9.9ptと大きく下げています。

より顕著なのは未婚率の方で、上位層の未婚率はマイナス(既婚率が高くなっている)なのに対し、中間層では未婚率9.5pt増、下位層では11.6pt増です。ここから明らかなのは、少なくとも上位層では、婚姻減も出生減も起きていないのに対し、中間層以下では大きく婚姻減があり、下位層ではたとえ結婚しても子は産めないということがわかります。

これこそが「結婚と出産のインフレ」というもので、その影響を受けるのは中間層以下だけであり、経済階級によって結婚や出産ができなくなっているということです。

次ページ給付のために負担を増やすのは本末転倒
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事