「足立区というだけでマイナスイメージ」「治安は?」と聞かれた偏見根強い街が、子育て世代殺到で教室不足に陥ったワケ

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綾瀬駅で電車を降りた。最初の目的地は武道館だ。まずとにかくこれが見たいのだが、地図アプリなどで詳しい場所は調べない。それをやると、道すがらの風景を眺める気分が削がれるからだ。駅のどっち口から出れば近いのかもわからない状態でホームに降り立った。

綾瀬の武道館は、地域を代表する施設なので、どうにかなるだろうと思っている。目の前に長い棒(たぶん和弓)を担った袴姿の女性が歩いていたので、これは間違いないなと思い、そのあとをついて行った。女性は駅の東口を出て、そのまま通りを渡る。歩くこと数分で、思った通り、東京武道館(足立区綾瀬3-20-1)にたどり着いた。

住民も認める「じゃないほうの武道館」

1989年に竣工したこの施設、設計は建築家六角鬼丈によるものだ。入り口前の歩道から建物の外装にいたるまで、大小さまざまなサイズの菱形で覆われた屋内競技場だ。武道と芸術を結び付け、その精神を空に浮かぶ雲をモチーフにして表現しているらしい。

模型
館内にある武道館の模型(筆者撮影)

夏の空にもくもくとわき立つ雲のようなその外観は、見ているだけで不思議な気分になる。綾瀬の東京武道館は東綾瀬公園のなかにある。街を訪ねた日は天気もよく、公園を散歩する地元民も多く見られた。そんな人たちとの雑談のなかで、「綾瀬人にとって武道館と言えば、九段下のあれじゃなくて、こちらのことを指すんでしょうね」といった話を向けたところ「いやぁ、やっぱり武道館といえば九段のほうだよ」と苦笑いで答えた。

販売機
施設利用券の販売機。施設は時間制で借りることができる。毎日のように個人、団体が稽古場として使っている(筆者撮影)

それでも、綾瀬の東京武道館は九段の武道館と双璧をなす施設であることに変わりはない。こちらでは、剣道、柔道、弓道、なぎなた……などなどあらゆる武道の稽古場として使われているし、それらの大会も行われる。武道を志す者たちにとって、東京武道館はなくてはならない施設だ。

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