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「学力低下」の原因はスマホでもコロナ禍でもない?法学者も指摘「小学校での探究やグループワークの増加」が問題か〈再配信〉

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「カリキュラムの量が増えたので、とにかくスピーディーに授業を進めないといけません。そうなると、ここの部分は理解しにくいようだなと感じてもそこで立ち止まって時間をかけて教えることはできなくなっているのかもしれません」

先に紹介した時間の計算なども小学生が一瞬でマスターできる内容ではない。小学生からすると時計を読むこともそうそう簡単ではないのだが、「わかってないみたいだから次の授業でもう一度おさらいをしよう」ということが物理的に無理になっているのかもしれない。

松下さんの学校では宿題を出すというが、地方だとそういう話はよく聞く。長野市の小学校に子どもを通わせる母親は言う。

「宿題が多くて、夏休みはワークが100Pも出ました。私は東京の出身で公立の小学校でそんなに宿題が出なかったからびっくりした」

中学受験率が高い地域は「宿題はほぼない」ことも

一方で、この母親が言うとおり、東京の小学校の場合、宿題をあまり出さないところは昔からあったが、最近はほとんど宿題を出さないケースも増えている。

先日も調布市のある地区に取材に行ったが、この数年で小学校の宿題が出なくなったため、保護者が不安になって塾に通わせるパターンも増えているという。調布駅周辺は交通の便もよく、中学受験が盛んな地域だ。世田谷も同じで宿題がほぼ出ない。

中学受験率が高い地域では小学校の宿題はほぼないことが多いのだ。背景には「中学受験の勉強の妨げになるから、小学校に宿題は出してほしくない」と望む保護者の要望が影響しているケースも少なくない。

中学受験率が低いある埼玉の地区の小学校は宿題がしっかりと出る。基礎的な四則計算のドリルは中学受験生からしたら、簡単すぎて「邪魔」でしかない。しかし、そのドリルに載っている計算を初めて解く児童たちもいるのだ。宿題がなくなれば、四則計算もできないままで中学生になってしまう。

少子化の今、「読み書き計算」が身につかないままでも高校・大学進学の門戸は広く、結果的に社会に「読み書きがままならない」若者が増えていくことになってしまいかねない。そして、それは小学校で塾に通っていない家庭の子どもたちだ。ドリルを買ってきて、自宅で親が管理して勉強をさせることは共働き家庭が増えた今、なかなか難しい。

そうなると、やはり塾に通わせることになるが、やはり、塾は費用がかかる。例えば、公文式教室の月額会費は東京・神奈川で一教科7,700円、それ以外の地域だと7,150円。算数と国語だけでも1万5,000円前後かかる。子どもが2人いたら倍を支出する必要があろう。物価高で実質賃金が下がる中で、1万5,000円を支払えない家庭もあるはずだ。

ゆえに阿部文科省大臣も「社会経済的背景の低い層のほうがスコアの低下が大きいことを重く受け止めている」とコメントする。日本国憲法では「子どもの教育を受ける権利」が保障されている。現状の公立小学校ではその保障から抜け落ちてしまう児童が増えつつあるようにも見えるのだ。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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