「これまでなら若手に頼んでいたような、リサーチや構造化(情報や課題の整理)の作業の一部は、AIに任せるようになった」
AI脅威論により、株価が軒並み下落しているコンサルティング業界。生成AIは業務の効率化やビジネスチャンスをもたらす一方、コンサル各社の競争の土台そのものを変えつつある。
ここ1年で、AIの能力は目に見えて上がった。議事録作成、調査、論点整理、仮説構築、
筆者がヒアリングした日系総合ファームのパートナーは冒頭のように語り、日ごろの業務の進め方も、AI活用を前提とした形に変わったという。また、BIG4の一角である外資系コンサルのAI推進担当者によれば、KPIとしている社員のアクティブ率(AIを週1回以上使用)は9割に達している。
差を分けるのはAI活用の“深度”
目下、コンサル各社はAI環境の整備を進めている。
グローバルファームは、社内知識や文書検索、権限管理、監査、業務支援機能を統合した社内向けの基盤を構築している。例えばマッキンゼーは、過去の知見や専門家ネットワークを集約する知識基盤「Lilli」を構築、PwCやEYは複数の業務エージェントを統合した自前の基盤を持つ。各社、AIを「便利なチャットボット」として配るだけでなく、コア業務に組み込もうとしている点で共通する。
一方で筆者のヒアリングでは、国内系の中堅ファームやブティックファームから、チャットベースの利用にとどまる、アウトプットを作成できる環境がない、などといった課題を指摘する声も聞こえてくる。
どこもAIは使っている。が、成果物の質やスピードの差を分けるのはそこではない。どの深度で業務に浸透させようとしているのか、だ。「AI活用を進める」と表向きには言えても、現場で本当に使われているか、さらに言えば、競争優位に結び付く形で使われているか、は別問題である。
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【コンサル現場がAI活用をためらう理由】
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