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〈反撃ののろし〉博報堂に突き付けられた"AIで広告代理店不要説" 西山社長「偉大なNo.2と言われている場合ではない」

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西山泰央(にしやま・やすお)/1966年生まれ。89年上智大学法学部卒業、博報堂入社。2014年に第六営業局長。取締役常務や博報堂DYホールディングス執行役員などを経て、25年6月に社長COO(最高執行責任者)就任。4月から社長CEO(撮影:今井康一)
国内外での再編や生成AIの本格導入、クライアントによる広告業務の内製化など、大きな変革期を迎えつつある広告業界。国内2位の博報堂DYホールディングスも、こうした市場環境の変化を前に、次々と手を打っている。
2025年12月には、デジタル広告代理店のデジタルホールディングスを192億円で買収。準大手・中堅企業に対するデジタルマーケティング支援などの強化を図る。コンサルティングなど非広告事業の育成を進めるほか、長く電通の牙城だったワールドカップ放映権の獲得にも挑戦した。
同社を率いるのが、25年6月に就任した西山泰央社長だ。営業出身でスキンケア広告「ビオレママ」などの企画を手がけ、新規事業の経験もある。テレビ広告では電通、デジタル広告はサイバーエージェント、コンサルティングはアクセンチュアと、事業領域ごとに難敵ぞろいの中、どのように会社を舵取りするのか、話を聞いた。

AIで代替できない強みがある

――生成AI時代に突入する中、広告代理店のあり方が問われているように映ります。

広告代理業は(広告のプランニングなど)定型的なプロセスに強いため、AIで(仕事が)溶けてしまうのでは、と思われるだろう。だが、例えばクライアントや媒体社の課題を聞き出すフロント業務は、AIで代替できない強みだ。論理の中では見つけられない新たな融合・発想の価値や、優秀なクリエーター、マーケターの思考プロセスも、本質的には変わっていない。

そうはいっても、AIは産業革命に近いレベルの話。培ってきたノウハウによる対応だけでなく、新たなノウハウの獲得と両輪で進めていくことになる。AIによる自動化・効率化など、企業のマーケティング支援におけるニーズは激変しており、「AIを駆使したからには」と目標設定のハードルも上がる。

(AIエージェントによるマーケティング業務支援サービスの)「ワン・エージェント」のような形で、先端的なクライアントとの取り組みが始まっている。こういった企業は、おそらく一度は極限までAIで自動化・効率化をしてみたいと考えている。行きつくところまで並走させてもらうことで、逆に(AI時代でも)人間が必要な部分を把握し、ノウハウを獲得できるのではないか。

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【楽天ショックの余波】

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