「街にこだわりはなかった」から「家族で住むならここ」へ―池袋から20分、中古戸建て購入した42歳語る"大泉学園"のリアル
二人とも土地勘はなかったが、内見の印象は悪くなく、2014年春、ここから新婚生活が始まった。それは、小山さん夫婦の西武池袋線沿い暮らしのはじまりでもあった。
保谷に暮らしはじめて1年ほどで、小山さんは妊娠。
保谷のアパートは築年数が古く、家のガタつきを感じることもあり、赤ちゃんとの新生活を想像すると心もとなかった。妊娠中から家探しをはじめ、出産とともに、石神井台のマンションに引っ越した。西武池袋線の大泉学園駅からも、石神井公園駅からも、歩いて15分ほどの便利な立地に惹かれた。
保谷に2年、石神井台に4年、そして現在の大泉学園へ。振り返れば、明確な理想があって選んだ街ではない。それでも年月を重ねるうちに、この西武池袋線は家族の暮らしを受けとめる場所になっていった。
「緑の多い街に住みたいという思いはずっとあって。保谷も長閑でわるくなかったのですが、石神井台のマンションは、石神井公園が近いのが何より魅力でした」
暮らしの延長線上にある森
石神井公園は、木々に囲まれた三宝寺池、ボート客でにぎわう石神井池を中心に広がる、約22.6ヘクタール(東京ドーム約4.3個分の広さ)の公園だ。都立公園のなかでは井の頭恩賜公園(約38ヘクタール)より小さいが、その分「地元の公園」としての密度が高い。また、石神井城跡ほか、複数の遺跡も残っている。
アスレチック広場にはすべり台などの遊具があり、ウッドチップが敷かれている。水はけが良くて、柔らかいから、子どもが転んでも衝撃を吸収してくれるので安心だ。
「コロナ禍のときは、この公園に本当に助けられました。とにかく広いので『今日はこの辺りで遊ぼうね』と決めて、一日過ごせたんです」
季節のいいときには、散歩やピクニック。石神井氷川神社や野外ステージでの地域のイベントに、マルシェ。石神井池にはアヒルボートもある。
「ここって、わざわざ遠くから来るような場所ではないんです。地元の人ばかり。それがまたいいのかもしれません」
暮らしの延長線上にある森。余白のある広さと、季節の移ろい。都市生活のなかで削られがちなものが、この公園には静かに残されている。



















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