それが睡眠解析サービス「9h sleep checkup」の始まりだ。現在では、計測データが累計20万件を超えるサービスにまで成長している。
「睡眠解析レポート」に記載される項目——睡眠効率、中途覚醒、いびき、無呼吸の回数と時間——は、単に「眠りの質」を知るためだけに選ばれているわけではなく、医療との接続を意識しているそうだ。
睡眠解析で疾病リスクが検出された場合には、後日メールで医療機関への受診を案内する仕組みが、すでに実装されている。
「睡眠解析レポートの項目は疾病発見につなげていくという観点で、設計しています。不整脈(心房細動)の研究では東京科学大学と共同研究を進めており、睡眠時無呼吸症候群については医療機器メーカーなどとの連携が進んでいます。
将来的には、大学病院と組んで検査入院に近いことができる場所にもなり得ると考えています」
筆者は当初「ナインアワーズ」を、単に未来的なデザインのカプセルホテルだと思っていた。しかし実際は、その機能も未来的な構想にひもづいていたのだ。
そこには、カプセルという独特の形態が、図らずも医療研究に適した環境を生み出すという発見があったようだ。
ウェアラブルデバイスとは何が違うのか
「スマートウォッチでも睡眠は測れる」という声に対し、渡邊氏はその違いをこう説明する。
「データの質がまったく違います。ウェアラブルデバイスは無線通信で、しかも一定の間隔でしかデータを取れない。我々のセンサーは有線接続で一晩を通して連続的に計測しています。そのため、心拍や呼吸の変化をより高い精度で捉えることができ、呼吸の乱れや不整脈の兆候まで検知できる。
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【「スリープポッド」だからできること】
