「睡眠解析レポート」で最初に目に留まったのは、「睡眠効率60%」という数字だ。就寝は午後9時04分、起床は翌朝8時14分。ベッドの上にいた時間は11時間10分。
たっぷり眠ったはずなのに、実際に眠れていたのはその60%。睡眠医学では一般に85%以上が「良好」の目安とされるというから、かなり低い。
残りの40%は、目を閉じたまま覚醒していたことになる。中途覚醒は一晩で17回。平均40分に1回のペースで、私の眠りは途切れていた。
悪くない結果もあった。いびきの回数と音量は、ともにゼロ。そして横になってから眠りに落ちるまで、わずか4分。睡眠時無呼吸症候群や不整脈・心房細動などの、疾病の兆候もなさそうだ。
病的な兆候はない。入眠はスムーズで、いびきもない。しかし眠りが浅い——自分では気づけなかった「眠りの実態」が、数字とグラフで可視化されていた。
私個人的には「よく眠れた」という手応えはあった。しかし「睡眠解析レポート」を見ると、そうともいえない。もしかしたら中高年期の現実として、私のように思った以上に眠れていない「隠れ不眠」「細切れ睡眠」の人が多いのかもしれない。
「眠りを見える化する」サービス誕生の背景
「睡眠解析レポート」を受け取って、改めて疑問が浮かんだ。なぜカプセルホテルが、ここまで本格的な睡眠解析に踏み込んでいるのか? 後日、ナインアワーズ代表取締役の渡邊保之氏に話を聞いた。
「創業当時のコンセプトは、シャワーと睡眠という機能だけに特化して、最上のサービスを提供する——というものでした。シティホテルや旅館と同じ土俵ではなく、外泊するときのシャワーと睡眠という機能を切り出して、コンパクトかつ上質なサービスを提供する。
その後、なかでも睡眠に注目して研究しようということで、2014〜15年頃には睡眠事業の構想が動き出していました」(渡邊氏 以下の発言すべて)
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【睡眠データが、疾病の早期発見につながる】
