リキシャで働く人は50~60歳くらいの“オジ”が多かった。ふくらはぎの筋肉がたくましく、みんな日本人より健康的な体をしている。ウーバー配達員として6年前から自転車のペダルを回している私は、「日本では“肉体労働は若い頃しかできない”って言われてるけど、実は年齢を重ねてもブルーカラーとして働けるのでは?」といった疑問と勇気が生まれた。
市内の物価はとにかく安い。名物料理「ビリヤニ」は、ローカルレストランなら300円くらいで食べられる(私は1万円分を両替したが結局使い切れず、1500円分をユーロにして日本に持ち帰った)。
ただし全体的に清潔感はちょっとイマイチ。道端でトイレを済ます人や、これに伴う臭いが漂ってくる場所もある。道は凸凹で、歩道に穴が開いていたり、ゴミ山が積まれている道もあった。
スラムで見た衝撃的な光景
教科書やネットには書いてない“学び”の体験は、私が異国を旅する目的の1つだ。私は社会に出てから40カ国以上を旅したが、そのたびにいつも「日本の常識は世界の非常識なんだな」とハッとさせられる。
“日本の中”にいると気付くことが難しかったり、ついつい忘れてしまう幸せや違和感が、“日本の外”に出ることで容易に比較可能となり、その事実がリアルタイムで浮き彫りになる。旅の最終日に私が人生で初めてスラムを訪れたのは、こういった背景があった。
ダッカ市内の真ん中に、スラムのある線路はあった。トタンやブルーシートで作られた、簡素な住居が線路沿いに並んでいる。道は舗装されていないので、砂埃が舞っている。屋外には洗濯物が干されている。足元はゴミだらけ。ゴミを漁る女性や、ゴミに寄りかかる子供たちもいた。
線路から1メートルも離れていない場所では野菜や魚など、ブルーシートを並べて商売している人がいた。どうやら線路を挟んで片側がスラムで、もう片側に市場が広がっているようだ。



















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