「お好み焼き3000円」とインバウンド価格が批判される黒門で、《マグロ一筋90年》老舗が貫く「まっとうな商売」の信念

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この言葉を裏づける、細部へのこだわりがある。

例えば魚丸では、400〜500gの小口注文にも応じている。自店で丸ごと一本を捌くからこそできるサービスだ。

また、清潔もこだわりだ。閉店後、毎日1時間以上かけて店を水洗いするそうだ。実際、店舗は年季が入りつつも、隅々まで手入れされた清潔感があった。

清潔な店内
店内は清潔で隅々まで手入れされていた(写真:筆者撮影)

未来を見据える次の一手

こうした姿勢が評価され、魚丸の卸売先には、大阪の老舗「浪速割烹 喜川」をはじめ、名店が名を連ねる。なかには、ミシュラン掲載店も。広島、姫路、和歌山など、地方の飲食店からの引き合いも多い。

事業構成は「卸売7割、店頭販売3割、通販が1割未満」。こんなふうに販売先が分かれているからこそ、「飲食店への卸売がほぼ無くなったコロナ禍も、なんとかかんとか乗り越えることができた」と胸を張る。

売り上げについては明かしてもらえなかったが、1日に扱うマグロの量は約100〜200キロ。「家族経営で5~6人ならやっていける規模」だという。ただし、仕入れ値の高騰と大口の卸売先の廃業が続き、継いだ時よりは確実に売り上げは下がっている。店のある黒門市場も、すでに「市場」の体をなしていない。

だが、丸山さんは未来を諦めてはいない。次の一手を、すでに打っている。

後編では、三代目が仕掛ける「脱・市場依存」の戦略と、次の90年を支える後継者について聞く。

冷凍庫に保管されているマグロ
冷凍庫にはたくさんのマグロが保管されていた(写真:筆者撮影)
後編を読む→→→「中国に特化してた店はしんどいと思う」…《インバウンド9割》変化し続ける黒門市場で老舗マグロ店が生き残る訳
笹間 聖子 フリーライター・編集者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ささま・せいこ / Seiko Sasama

フリーライター、時々編集者。おもなジャンルは企業ストーリー、ビジネス、幼児教育、発酵。編集プロダクション2社を経て2019年に独立。ホテル業界誌で17年執筆を続けており、企業と経営者の取材経験多数。「プレジデント・オンライン」「ダイヤモンド・チェーンストア・オンライン」「月刊ホテレス」「FQ Kids」などで執筆。企業noteのライター、ブックライターとしても活動。大阪在住。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事