100歳超え「センチュリアン」目指す"生き方のコツ"――1000億円投じた起業家の"壮大な人体実験"の行方とそこで得たもの
企業向けの決済代行システムの開発者であり、起業家でもあるジョンソンは、自分の会社を売却して得た1000億円を超える資産と自分の時間のすべてを、自らの老化を抑制することに投入している(表1‐2)。
その目標を達成するために、30人の医師を雇い、毎日30種類以上のサプリメントを服用する彼の生活は禁欲的である。
午前4時半から7時までは運動し、サプリメント以外には、専門家によって厳密に1日1970キロカロリーに調整された3食を規則正しく決められた時間に食べる。3回目の食事は午前11時までに済ませて、その後は食事をしない。そして世界中で発表される抗老化関連の論文をすべて読み、重要と考える睡眠の質を保つために、厳密な管理をする。
これらの禁欲的な努力の結果、2023年当時45歳だったジョンソンの老化スピードは10歳の男子より遅くなっていたという。
また、彼の心臓は37歳と同等の若さであったと主張している。ジョンソンはさまざまな検査を毎日行い、その結果をSNSや動画配信、ニューズレターなどを通じて、数百万人のフォロワーやチャンネル登録者に逐一報告している。
全身の若返りや不老不死は達成不可能に思える目標だが、科学者がその目標達成をめざすことは科学の進歩につながる。
究極の抗老化をめざすジョンソンの壮大な試みは、正常の対象実験がない。そのため、彼が普通よりずっと長生きをしたとしても、それがこの禁欲的な生活によるのか、もともと長命だったのかもわからない。
たとえ、この禁欲的生活に効果があったとしても、サプリメント、食事、生活習慣のうち何がどの程度効果的だったかも不明である。
カロリー制限で寿命が延長?
マウスやサルの実験では、カロリー制限が寿命を延長することが証明されている(図1‐3・1‐4)。ただし、マウスでカロリー制限が寿命を延ばすという結果については、反する結果も一部報告されている。
寿命が延長するとする研究でも、対照群のマウスの4割に糖尿病が発症(カロリー制限群は10%)していた実験も含まれており、真実は不明である。



















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