視聴者の3割が予備軍?「ネットポルノ依存」の罠 気付かぬうちに"脳が壊れた人"を襲う不幸

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さらにいえば、ポルノ依存症は実際の性行為自体への関心を低下させることもあります。タイチさんも、次第に恋人との性的な関係に満足感を得られなくなり、2人は互いに疎外感、不安感を覚えるようになり、信頼関係は危機に陥りました。

このように、ポルノ依存症は気軽に一時的な快楽を得るための行動であっても、脳や心に大きなダメージを与えます。タイチさんのように「うつ」や「集中力の低下」、そして「パートナーとの関係悪化」といった問題が次々と現れるのです。

やがてタイチさんは、自分が何に対しても喜びを得られなくなっていることに気づき、孤独感に悩まされ、私のもとをたずねることになりました。その後、タイチさんは自身を見つめ直し、健康的で充実した生活を取り戻すことができました。

自慰行為そのものよりも、異常な興奮状態をもたらす

ポルノ依存症が深刻化しやすいケースとして「動画の一気見」が挙げられます。今回は、ケンタさん(仮名)の事例を見ながら、そのリスクを解説します。

事例:ケンタさん(28歳)

私は都内で働くサラリーマンで、夜になるとポルノ動画を見てリラックスするのが習慣になっていました。最初は少しだけ見ていたのですが、次第に視聴時間が増えて、毎晩何時間も見続けるようになってしまったのです。

誤解のないように言っておくと、男性にとって適度に自慰を行うことは自然な行為で、健康にも役立つとされています。自慰をすると、脳内で「ドーパミン」という快感をもたらす物質が分泌されます。このドーパミンのおかげで、一時的に気分が良くなり、ストレス解消やリラックスにつながるのです。

しかし、「ポルノ動画を一気見」となると話は別です。ポルノ動画は、非常に強い視覚的な刺激を与えます。これを長時間受け続けると、脳に過剰な負荷を与えてしまいます。

ポルノ動画を見ることで分泌されるドーパミンは、喜びや快感を感じたときに出る物質ですから、普段の生活において、友達と遊んだり、美味しい食事を楽しんだりしたときにも分泌されます。

しかし、ポルノ動画を大量に見ていくことで、脳がその強い刺激に慣れてしまい、日常生活でのありふれた出来事に喜びを感じられなくなっていきます。

ケンタさんも、最初はリフレッシュ程度で済んでいたのですが、次第に仕事や友達と過ごす時間がつまらなく感じるようになりました。こうしてポルノ動画の視覚刺激が繰り返されると、脳はその刺激に順応してしまい、より強い刺激を求めるようになります。

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