なぜ「Nemawashi」は英語になったのか? 日本特有の「根回し」が、世界でも"不可欠の交渉術"と認められた理由

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社内政治の科学 経営学の研究成果
実は海外にも「根回し」に似た行動があり、ビジネスの中では重要な役割を果たしています(写真:metamorworks/PIXTA)
事前の反応が良かった提案が、会議で突然否決された経験はないでしょうか。日本特有の「根回し」は今や「Nemawashi」として世界で注目される合意形成術です。本稿では、『社内政治の科学 経営学の研究成果』より一部抜粋のうえ、欧米の交渉術との決定的な違い、そして現代ビジネスに不可欠な理由に迫ります。

海外で語られるネマワシ

前の会議で少し説明したときには好意的な反応だったのに、次の会議で突然反対されたことはありませんか? あるいは、最初は評判が良かった自分の提案がなぜか最終段階で却下されたことはありませんか? その裏には根回しが関係していたのかもしれません。

「根回し」はもともと、「根を回す」という意味の造園用語です。木を移植する前に根のまわりを掘り、あらかじめ新しい土地で根づきやすくしておく作業のことです。ビジネスの文脈では一般的に、正式な会議や意思決定の前に非公式に同意を取りつけることを「根回し」と呼びます。

この「根回し」という言葉は、海外でも「ネマワシ(Nemawashi)」として知られています。この言葉は日本で働く外国人ビジネスパーソンにも広く知られています。また、海外にある日系企業の現地スタッフの間にも、ネマワシという言葉は浸透しています。

海外でも「ネマワシ」は、日本での日常的な根回しとほぼ同じ意味で使われています。会議や決定の前に、調整役が関係者と非公式に話し合うような、合意形成のプロセスを指しています(Wolfe, 1992)。

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