日本の鉄道と違う、欧州「低床車」独自進化の背景 「低いホームで乗り降りしやすく」長年の課題解決
これがイタリア、さらには周辺国の標準型になって普及していくかと思いきや、イタリアの後継型近郊客車は標準的な床面高さのMDVC型となり、その後2000年代に入るまで低床車は登場しなかった。ほかのヨーロッパ諸国でも、低床式車両は1990年代以降まで普及することはなかった。
この理由として、近郊輸送の主力を担う電車や気動車の場合、低床車にすると床下に機器類を搭載できないという問題があるため、これが解決するまで量産ができなかった点が考えられる。
機器類の小型・軽量化で実現
そこで、1990年代以降に誕生した新世代の低床式車両は、主な機器類を小型化のうえ屋根上に搭載することで低床化を実現した。気動車の場合、編成前後の運転席付近に小型軽量のエンジンを搭載することで解決している。屋根上に重量のある機器類を搭載すると重心が高くなるという課題があるが、技術の進歩で多くの機器類が小型軽量化されたことが実現につながったといえる。
低床化で床下機器と並んでネックとなるのが、モーターなどの動力を備えた台車だ。路面電車では、小さな車輪の採用や駆動方式の工夫によって車軸をなくすなど、モーター付き台車の上でも低床化している例が多いが、ある程度高速で走る一般の鉄道にはこういった構造は不向きでコストも高くなる。動力台車は一般的な構造のほうが走行性能の面で有利だ。
そこで、スイスのメーカー、シュタドラーによる連接車両シリーズ「GTW」や、その後継の「WINK」は、動力装置を含む機器類だけを集中配置した客室なしの動力ユニットを編成中央に置き、編成両端に客室ユニットを配置するという手法を開発した。





















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