「アホいうたらあかんよ」 中道・泉健太議員が問う「エプスタイン文書」から浮かび上がる日本政府の根深すぎる"2つの闇"

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しかしGSCはほとんど動かず、巨額な予算は積み上がったままでした。それなら国庫に返納すべきだというのが本庄氏の主張でしたが、本庄氏は今年2月の衆院選で落選。私がそのあとを継いだ形です。

この問題でキーパーソンとして浮かび上がったのが伊藤穣一氏でした。MITメディアラボ所長時代にエプスタイン氏と密に親交していた伊藤氏の存在が、GSCの妨げになっていたと思っています。

伊藤穣一
マサチューセッツ工科大学メディアラボ所長などを務めた伊藤穣一氏(写真:ブルームバーグ)

――そのような人がなぜ、政府に入り込めたのでしょうか。

伊藤氏は自民党の有力議員の後押しがあったといわれ、21年9月に発足したデジタル庁の事務方のトップであるデジタル監に就任することが内定していました。しかし、19年にメディアラボ所長を退任した理由がエプスタイン氏との関係だったと判明し、当時の菅義偉首相が就任を拒否したのです。

それでも、一度は名前が挙がった伊藤氏を容易に切るわけにはいかなかったのでしょう。伊藤氏は確かに日本にとって世界的に枢要な人脈を持つ有名人で、稀有な人物でした。だから政府のどこかに取り込んで面倒を見よう、デジタル社会構想会議のいちメンバーやGSCでもステアリング・コミッティーという非公式の組織に置けば、海外から問題視されないだろうという甘い考えがあったのではないでしょうか。

実際には、ハーバード大学やカーネギーメロン大学、さらにはMITや慶応義塾大学といった、伊藤氏と関係があった大学まで共同プロジェクトへの参加を拒否したので、GSCは当初のスケジュールどおりには進みませんでした。以上がこれまでの本当の経緯です。もっとも、政府は認めようとはしないでしょうが。

日本に貼られる「人権意識が遅れた国」というレッテル

――でもそれは「日本政府は伊藤氏の起用に責任はない」ということになりませんか。

本当はこれが大きな問題なのです。エプスタイン氏の問題をどのように捉えるのかで、日本政府の認識が試されているともいえます。これを軽視してしまうなら、日本政府は人権感覚が欠如しているとして世界に認知されてしまうでしょう。

「エプスタイン文書」問題の核心は未成年の女性の性被害問題ですが、そもそも国際労働機関(ILO)では「児童労働」を特別にカテゴライズし、早くから禁止していました。1999年には「最悪の形態の児童労働の禁止及び撤廃のための即時の行動に関する条約」を採択しており、日本もこれを2001年に批准し、02年には効力が発生しています。

もともと欧州には児童虐待などについての犯罪には厳しい文化がありましたが、ここ20~30年でさらに厳格になったという印象です。

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