X Moneyは単なる「金利6%のおいしい預金口座」ではない! マスク氏が27年越しに狙う「X内経済圏」戦慄の正体
入金、送金、決済、投資への導線、出金しない動機づけ。すべてがうまく連携したとき、Xは「SNSに金融がついたもの」ではなく「金融を内蔵したプラットフォーム」に変わる。
マスク氏が手本にしているのはWeChatだ。「中国ではWeChatの上で人々が生活している。すばらしいアプリだ」と、同氏はPodcastで語っている。
ただしWeChatが「生活インフラ」になれたのは、中国固有の背景によるものだ。カード決済がまだ普及していない社会にコード決済が一気に入り込み、14年の「デジタル紅包(お年玉)」が普及の起爆剤になった。WeChat Payは19年末時点で日次決済数が10億件を超えている。メッセンジャーが決済を飲み込めたのは、強い競合がいなかったからだ。
アメリカにはVenmo、Cash App、PayPal、Apple Pay、Google Payがすでにある。そしてメッセンジャー起点で同じ構想を試みた企業は、ことごとく壁にぶつかってきた。
Metaの「WhatsApp Pay」はインドで当局によって利用者数が制限され、ブラジルでは中央銀行にサービスを止められたこともある。さらに世界通貨を目指した「Libra」も断念した。マスク氏の構想がうまくいかないとまでは言えない。だが、SNSに金融サービスが乗ることへの各国の懸念は根強い。
便利さの裏にある「リスク」
もう1つ、X Moneyで心にとめておきたいリスクが、預けたお金が引き出せなくなる可能性だ。
例えば、PayPalは利用規約で、残高を最大180日間保留できるとしている。Cash Appは口座の長期凍結で、25年1月にCFPB(消費者金融保護局)から是正命令を受けた。Venmoでも「送金完了」と表示された資金が後から凍結されるケースがFTC(アメリカ連邦取引委員会)に問題視され、18年に和解に至っている。
X Moneyでこのリスクが増すのは、凍結の引き金がSNSの側にあるからだ。投稿内容や通報などでアカウントが停止されれば、金融資産へのアクセスも失う可能性がある。Xのアカウント凍結ルールは必ずしも明快ではなく、凍結されたアカウントの復旧が認められる保証もない。




















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