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東証グロース市場改革で問われるIPOの質、パワーエックス上場を導いた主幹事証券の伴走戦略

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――パワーエックスは蓄電池の量産開始に向けて21年末~22年のシリーズAで総額約51億円もの資金を調達しています。株主には日本瓦斯、今治造船、三井物産などの事業会社が名を連ねた一方、VCはスパイラルキャピタル1社にとどまりました。VC主導型ではない大型調達をどう実現したのですか。

高橋:社内でも難易度の高い案件との見方はあった。VCが入らないディープテックは、日本では多くがその段階で止まってしまう。しかし、だからこそわれわれの存在意義がある。当社がスタートアップ・アクセラレーションの機能を立ち上げたのは、前例の有無で判断しないためだ。伊藤社長の構想には、エネルギー自給という構造的なテーマがあった。できない理由を並べるのではなく、どうすれば成立させられるかを考えるべきだと判断した。

高橋照典(たかはし・てるのり)/三菱UFJモルガン・スタンレー証券 投資銀行本部スタートアップ・アクセラレーション部長。日興ソロモン・スミス・バーニーを経て、2007年モルガン・スタンレー入社。投資銀行本部金融法人グループ(FIG)にて金融機関のM&Aやファイナンス案件に従事。19年、スタートアップ・アクセラレーション・チーム(SAT)を創設 (撮影:今井康一)

阪本:当初はVC主導(の資金調達)を想定していたが、金額規模が大きく難しかった。そこで事業会社を軸に再設計した。1社あたりの投資額は抑えつつ、複数社で構成する。

課題は「誰がリード機能を担うか」だった。そこでわれわれがFA(フィナンシャル・アドバイザー)として入り、スパイラルキャピタルなどと連携しながら疑似的なリード体制を構築した。M&Aのオークション(入札)手法を応用し、条件を整理し、合意形成を進めた。事業会社中心の株主構成だけに、単なるエクイティ(株式資本)調達ではなく、将来のIPOや資本市場との整合性まで見据えた長期的な資本政策を設計する必要があった。

阪本邦仁(さかもと・くにひと)/三菱UFJモルガン・スタンレー証券 投資銀行本部スタートアップ・アクセラレーション・チーム エグゼクティブ・ディレクター。2015年から投資銀行本部FIGにて金融機関や民営化案件の資本・資金調達およびM&A業務に従事。2020年からSATに参画 (撮影:今井康一)

用途に応じた資金調達を設計

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