8世紀の唐の時代には、抹茶のような飲み方もされていたようです。
お茶の効用を語るうえで欠かせないのが、日本の臨済宗の開祖である栄西が著した日本最古の茶書『喫茶養生記(きっさようじょうき)』です。栄西が71歳で著し、74歳で書き直した最晩年の著作です。
この喫茶養生記の冒頭には、「茶は養生の仙薬なり。延齢の妙術なり(お茶は不老不死の仙人になれるとされる薬である。長生きするための秘訣である)」とあります。
不老不死の仙人になることは、中国の道教や伝統医学の最終目標でした。そのためには養生によって健康を維持し、生命を守ることが大切で、なかでも五臓最上位の「心(しん)」を健全にするために、「お茶を飲むのがいい」としています。
五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」という、漢方医学において大切にされている考え方で、それぞれがバランスの良い状態にあることが健康とされています。
五臓の1つである心は、単に臓器の心臓だけを指しているのではなく、血管や循環器(血流)、精神まで含んだ人体の司令塔的な役割を持つ概念です。したがって、心が乱れると動悸・息切れ、胸の痛み、むくみ、手足の冷え、もの忘れ、不眠といったさまざまな健康問題が生じます。
春と気・心の乱れの関係
春は五臓の「肝」が乱れやすい季節です。肝も臓器の肝臓だけでなく、血を貯留する場所とされ、自律神経や筋肉などにも関わっているとされている概念です。
実は、心は肝と深い関係があり、肝が弱ると血や気の巡りが不足し、その影響は心に及んでしまうのです。
五臓をコントロールする心が弱れば、その悪影響は全身に及びます。そして、この“心の乱れを整える味”が苦味で、喫茶養生記でも「茶の苦みが、心を助ける」と述べています(なお、肝を整える味は酸味で、柑橘類などがいいとされています)。
実際、お茶を飲むことでどんな健康効果が期待できるのでしょうか。喫茶養生記では次のような茶の効能を挙げています。




















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