とびっこが空前の価格高騰も「平気です」とニヤリ…とびっこが"主役"の魚介塩そば専門店オーナーが明かす「原材料高騰でも潰れない店」の作り方

✎ 1〜 ✎ 130 ✎ 131 ✎ 132 ✎ 133
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

週1回来る客より、週2回来る客を増やすのだ。「とびっこ東京」の客層は30~50代中心。「油そば」と書かず「魚介塩そば」と掲げることで来店客の心理的ハードルを下げることにも成功している。リピーターが多く、回転が速い。

「ニッチ×再現性×安さ×速さ×多店舗。これがインフラの方程式です」

ニッチであること。だが日常で食べられること。そこに再現性とスピードが掛け合わさると最強になれるという考え方だ。

不敵な笑みのりゅう社長。しかし、経営においてはとことんクレバーだ(写真:筆者撮影)

飲食の設計者になりたい

彼は目指している人物像として、松下幸之助と孫正義の名前を挙げる。

「電球を作った人じゃなく、量産した人。携帯電話を作った人じゃなく、通信インフラを作った人。そういう人に自分はなりたいんです」

自分はラーメンを作る人ではなく、「ラーメン店を量産できる構造を設計する人」でありたい。りゅう社長はラーメン店主でありながら、本質は飲食の設計者になりたいのだという。

一つの食材に特化すること自体は危険ではない。

危険なのは、

・重いオペレーション
・人に依存する構造
・高い初期投資
・教育コストの蓄積
・来店頻度を上げられない価格設計

これらを抱えたまま原価に振り回されることだ。

「原価高騰は課題です。でも本質は原価と戦うことじゃないと思っています」

原価や人に依存しない構造を最初から設計する。努力で耐えるのではなく、構造で吸収する。とびっこ高騰のニュースは、特化型ビジネスの脆弱性を問う出来事だった。しかし、りゅう社長の答えは明確だ。

「心中しない設計にしておく。それだけです」

一点特化はリスクではない。設計なき特化がリスクなのだ。

【もっと読む】「2000円、3000円のラーメンを作りたいと思ったことはない」…ラーメン界のカリスマが始動、1杯790円でも儲かる「古き良きラーメン店」の秘訣では、ラーメン界のカリスマが東京・平井で始動させた「ラーメン ねぎとん」の裏側を、ラーメンライターの井手隊長が取材、詳しくお伝えしている。
この連載の一覧はこちら
井手隊長 ラーメンライター/ミュージシャン

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

いでたいちょう / Idetaicho

全国47都道府県のラーメンを食べ歩くラーメンライター。「東洋経済オンライン」「マイナビニュース」「AERAdot.」等の連載のほか、コンテスト審査員、番組・イベントMCなどで活躍中。近年はラーメンの「1000円の壁」問題や「町中華の衰退事情」、「個人店の事業承継」など、ラーメン業界をめぐる現状を精力的に取材。テレビ・ネット番組への出演は「羽鳥慎一モーニングショー」「ABEMA的ニュースショー」「熱狂マニアさん!」「5時に夢中!」など多数。東洋経済オンラインアワード2024にて「ソーシャルインパクト賞」を受賞。その他、ミュージシャンとして、サザンオールスターズのトリビュートバンド「井手隊長バンド」や、昭和歌謡・オールディーズユニット「フカイデカフェ」でも活動。著書に「できる人だけが知っている 『ここだけの話』を聞く技術」(秀和システム)がある。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事