【最新技術を投入しながら販売面で苦戦した不遇の歴史】先進と悲運のモデル、ホンダ「インサイト」が復活。BEVとなった4代目成功なるか

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こうした動向を見る限り、ホンダの電動化戦略の本命は、明らかにゼロ・シリーズだといえる。では、なぜ日本では先にインサイトを導入するのか。ホンダによれば、インサイトは、「27年度から導入するゼロ・シリーズへの布石」だという。

おそらく、欧米など海外勢も含め、他メーカーのBEVが苦戦する日本市場に、いきなり今後の基幹となるゼロ・シリーズを投入するのはリスクが高いとの判断からだろう。まずは、先鞭として、すでに中国などで一定の実績のあるモデル(インサイト)を投入し、国内で「ホンダ製BEV」に関する認知度を高めることも目的のようだ。

つまり、今回の新型は、国内販売するホンダBEVの「切り込み隊長」といった存在ということだ。ただし、27年のゼロ・シリーズ国内導入までに、もしインサイトの販売があまり芳しくなければ、あえなくラインナップから消えてしまう可能性もあるだろう。国内のBEV市場が、ここ1~2年で急成長しない限り、本命ゼロ・シリーズのモデルとインサイトが、ユーザーの食い合いを起こすことも予想できるからだ。

新生インサイトの行方

新型インサイトのリアセクション
新型インサイトのリアセクション(写真:三木 宏章)

ちなみに歴代のインサイトも、たとえば、99年の初代モデルなどは、リアタイヤをフルカバードした空力ボディを持つ革新的ハイブリッド車として登場。かなり斬新なクルマだったが、販売面でパッとしないまま消滅した。当時は、97年に発売されたトヨタの初代「プリウス」も、販売面で苦戦していた時代。今でこそ売れ筋のハイブリッド車だが、当時はトヨタもホンダも苦戦したのだ。

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それでもホンダは、初代インサイトを06年までの約5年間生産。だが、販売台数をあまり伸ばすことなく消えている。そして、その後の2代目、3代目も、先に述べたとおり、当時のホンダ最新ハイブリッド技術を投入したクルマだったが、市場から大きな支持を受けることなく、静かに姿を消していった経緯がある。

最新の技術投入や先進性はあるものの、なぜか販売面などでインパクトを残せない悲運のクルマ。そんな歴代インサイトの名を受け継ぐ4代目の新型が、日本のBEV市場で、どんな反響を受けるのかが興味深い。果たして「4度目の正直」はあるのか。今後に注目だ。
 

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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