AIは脅威ではなく、"生きがい"をもたらす? 茂木健一郎が示す「AIとお母さん」の意外な共通点
あるとき、何気なくレックス・フリードマンのポッドキャストを聴いていると、AIと絡めて僕のライフワークともいえる「生きがい」が取り上げられていたのです。そこで僕は、生きがいとAIの関係を全速力で研究することにしました。
「生きがい」は子どものチャレンジ精神を見ていればわかるのですが、その前に脳の「安全基地」の話をしておきたいと思います。
安全基地とは、もともとアメリカの心理学者であるメアリー・エインスワースが1982年に提唱した、「人間の愛着行動」に関する概念です。
エインスワースによって行われた、愛着理論に基づく「ストレンジシチュエーション法」というものがあります。ストレンジシチュエーション法とは、子どもと母親の愛着の度合いや、乳児の発達を明らかにするための実験観察法です。
まず、知らない場所のプレイルームで母親と一緒にいる子どもがどのような行動を取るかを観察し、記録します。
次に、母親がその場所から退出し、見知らぬ人がやって来たときに子どもがどのような行動を取るかを観察し、記録します。最後に、見知らぬ人がその場から退出し、ふたたび母親が戻って来たときに子どもがどのような行動を取るかを観察し、記録します。
その結果、見知らぬ場所でも、子どもは母親がいれば安心して遊び、見知らぬ人が入って来て母親が退出したときには不安を示しますが、母親が戻って来るとすぐにまた安心してふたたび積極的に遊びだす。
AIを脳の「拠り所」にしてしまう
このように、子どもは母親を「安全基地」として「拠り所」とすることを通して探索活動に熱中できるようになるということを究明したのです。
こうした安全基地の研究は、児童の愛着行動のみならず、脳を活性化する重要な概念としても僕は注目しているのです。つまり、安全基地というのは、「超すぐやる脳」を手に入れるために必要な1段目のロケットのような役割を担うと考えていただければいいと思います。




















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