東洋経済は、一部の拠点で実際には複数名訪問看護に従事していない生活支援員が訪問シフトに入っており、そのシフトを事前に知らされていなかった事情について、アンビスHDに改めて質問した。
すると書面での回答に加え、柴原慶一社長や、現場の運用をよく知る社員らが対面での取材に応じた。その内容を要約すると、以下のようになる。
「個別の事実関係については現場の看護管理者に確認をしないと回答ができない」
「シフトはあくまで予定であって、確定的なものではない。事前に登録された訪問予定が変更された理由はさまざま考えられるが、訪問当日までに利用者の状態が変化して複数名訪問の必要性がなくなった、ほかの職員が同行することになった場合などが考えられる。その際に訪問看護記録を修正しなかったケースがあったことは、すでに調査委員会から指摘されている」
いまだ疑問は解消されず
また、会社側は生活支援員が実際には訪問看護をしたことがないと主張していることに対し、こう反論する。
「生活支援員が担っているのは単なる掃除ではなく、看護業務における『環境整備』の一環だ。窓を開けて換気をする、抗がん剤で抜け落ちた髪の毛を掃除する、といった行為も、利用者の精神的な苦痛を和らげる重要な看護業務だ。生活支援員が窓を開け、あとから看護師がやってきて利用者と話をしながらバイタルを測ったりすることも、立派な看護の連携である。生活支援員には、終末期医療の現場で自分が看護補助の仕事を担っていると認識していてほしい」
会社として生活支援員を複数名訪問看護に同行させていたかに関しては、「会社として生活支援員を同行者としてシフトを組むよう指示した事実はないが、現場の管理者が必要だと判断すれば、生活支援員を複数名訪問看護の計画に入れること自体は普通ではないか」とする。
しかし、生活支援員が行う清掃が看護業務に当たるからといって、訪問看護の予定があることを当人が認識していなかったり、ほかの業務をしているはずの時間帯に訪問が組まれていたりしたことの説明にはならない。
一部の拠点で、なぜこうしたシフトが組まれていたのか。この疑問はいまだ、解消されないままだ。
複数名訪問看護をめぐっては、調査委員会からの指摘を受け、2人で訪問看護を実施したことを証明するための新たな記録様式が導入された。だが、一部拠点でこの記録の不適切な運用の疑いが浮上している。別の記事で詳報する。
