ホスピス住宅をめぐっては、一部の事業者の間で過剰・不正に診療報酬を請求する行為が横行していることが指摘されてきた。
2025年2月に、パーキンソン病の高齢者を受け入れる「PDハウス」を運営するサンウェルズが特別調査委員会の調査報告書を公表。不正請求の額が28億円に上ることが明らかになった(詳細は「ホスピス住宅『儲け至上主義』で不正行為が蔓延」参照)。

アンビスHDも、訪問看護による診療報酬を過剰・不正に請求しているのではないかとの共同通信の報道を受け、25年3月に外部の弁護士などからなる特別調査委員会を設置。約4カ月に及ぶ調査を経て、同8月に調査報告書が公表された。調査の結果、「診療報酬請求の要件を満たしていなかった可能性が高い」と判断された訪問看護は約6300万円分あった。
ただし、調査委員会はこれらが不正請求には当たらないとする。「実施していない看護業務を意図的に行っていたものとして記載するようなことは認められなかった」「多額の診療報酬を受けるために架空の事実をねつ造したような悪質な不正請求の事案とまでは認められない」というのが結論だ。
この結果を受け、アンビスHDは「一部報道にあるような組織的な不正および不正請求の実態がないことが事実認定されました」と表明。調査委員会が指摘した要件を満たさない可能性が高い訪問看護については、「記録の登録ミス及び記載不足などによる形式的エラーがその大部分を占める」としている。
複数名訪問では1352件に「実態認められず」
複数名訪問看護については、約358万円(1352件)が、加算を行う実態が認められないとして洗い出された。訪問看護記録上は複数名で実施したことになっている訪問件数から、①記録から複数名で看護をしていることが推認されるもの、②人工呼吸器をつけているなど重症者や入念な管理が必要な利用者に対するものを差し引く形で算出された。
実態が認められない訪問とされたのは、同行予定だった職員に緊急の用務が入り、交代要員もすぐに確保できない場合などにやむをえず一人での実施となったにもかかわらず、訪問看護記録に記載されている同行者の氏名が削除されなかったようなケースだった。同行を予定していた職員がいたのであれば、意図的に過大な請求したというより、「記録の修正ミス」に当たるだろう。
では、取材で明らかになった今回のようなケースは、この調査でどのように扱われているのだろうか。シフト表は調査対象となった期間内のものだ。
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【アンビス側の回答は?】
