「結婚は不要、でも子どもは欲しい」――"戦略的シングルマザー"になった彼女の並々ならぬ覚悟。地方都市で直面した「両立」の厳しすぎる現実

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一方、職場では育休を取るために妊娠を報告すると、周囲の視線や影響を考慮したうえで、会社から退職を勧められたがBさんは拒絶。同僚は腫れ物を扱うように事情を聞かず、不倫の噂だけが立てられた。

そもそもBさんの職場は、女性が簡単にキャリアアップを望める環境とは言い難い。男女が同数程度いるのに、いわゆる「出世コース」にいる大多数は「家庭を持つ男性」に偏る。管理職のうち3割程度は女性だが、残業が少ない定型業務の部署に集中している。

子育てしながら働く女性も多いが、「飲み会や急なアポ、会議、緊急性が高い業務の残業などをこなせなければ、企画立案系の部署や、新規事業のプロジェクトメンバーに入ることはできません。それは、地方での昔ながらの社内風土やリモートワークが普及していない影響もあると思います」と話すBさん。

「『子どもが高熱を出しているのに、預けるなんてかわいそう』と言われることは多いですが、もし看護のために大事な会議や商談を欠席すれば、次からそのプロジェクトに呼ばれなくなります」といった現実を説明する。

周到にリサーチをしてきた

出産後の女性が仕事をセーブする職場が多いからか、地域には家事代行やベビーシッターのビジネスがあまり普及していない。しかし、残業もこなすシングルマザーのBさんにとって、「絶対的に足りないのは時間」。

「妊娠中からリサーチを始め、いろいろな伝手をたどって、7年継続して家事代行をお願いしています」と話す。週に1度のペースで、Bさんが不在の日中にしてもらう1週間分の料理のつくりおき、掃除や洗濯などの家事を依頼している。

息子が保育園に通っていた際は、保育園が閉まる20時に間に合わない場合、Bさん宅から車で15分の距離に住む両親に迎えを頼んだ。ただ、両親ともまだフルタイムで働いているため、子どもが熱を出したときは、あらかじめ調べておいた市内に3、4カ所しかない病児保育サービスを活用。

望んで母親になったBさんだが、「子どもを産んだことは、良くも悪くも人生のすべてを変える出来事だった」と振り返りつつ、「今は選択のすべてが、息子が幸せであるかどうかから始まる。それが母親であるということだと思っています」と述懐する。

だから、「保護者参観日など、子どもの行事ごとはこれまで、どんな状況でも行きました」と言い切る。

「7年間、全身全霊で子育てに向き合ってきた。息子は周りの子に両親がいることを知りつつ、『僕のおうちはママだけだよ。ママがどうしても僕に会いたいと望んだから1人で産んでくれたんだ』と堂々と話すぐらい、自分の環境を受け入れています」と顔をほころばせつつ話す。

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