青木:僕がやっている記憶術の教室でも、日本の教育システムによる難しさを感じることがあります。よくある例では、小学校6年生のお子さんがいる親御さんから「来年は中学受験なのでなんとかしてください」と、いわば駆け込みのような形でご連絡をいただくことも。
僕たちは記憶の仕方は教えられるし、それは勉強にも有利にはなります。ただ、それだけで学力が上がるわけではありません。やっぱり勉強で大切なのは積み重ねです。
でも記憶力が良くなれば、教科書の内容を全部詰め込んで、最難関の中高一貫校にも入れると思っている方は少なくありません。僕たちが考える記憶というものとのギャップが、結構あるんだなと感じています。
窪田:教室に通っている生徒さんたちを見ていて、適性の差を感じることはありますか? 記憶術のコツをつかみやすかったり、反対になかなかつかめなかったりする人がいるとか。
記憶力は武器になる
青木:それはあります。このあたりは運動神経の話と非常に似ていると感じます。運動が苦手な子でも、やり方を教わってきちんと練習すれば、ある程度はできるようになります。本人の力が伸びていくのは、それだけでも大きな意味がありますよね。
一方で、もともと運動が得意な子がいるように、記憶に関しても「勘の良い子」がいるなと思います。自分でコツをつかんでいけるような、短期間でもすごく伸びていくような子はやっぱりいます。
窪田:本人の持っている勘の良さや要領の良さみたいなものが、メモリートレーニングの効率にも影響するのでしょうね。そういう生徒さんは、学校の勉強も総じて成績が良さそうです。
青木:先ほど中学受験の難しさについてお話ししましたが、実はうちのスクールに来ている子たちは、実際に最難関校に合格する例が少なくないのです。勉強に対してもそう苦手意識がなかったところに、記憶力という強い武器を手にしてより強くなっている印象はありますね。鬼に金棒というか、新しいことの吸収もどんどん良くなっていくようです。



















