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天賦の才をいかんなく発揮したモーツァルト。だが死の間際に彼を襲ったのは絶望だった…才能を楽しみきれずに時間が尽きることを悟る悲しさ

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INDEX

宛先不明の手紙 1791年9月ウィーン/翻訳は頭木弘樹

モーツァルトは天才という言葉がよく似合う。「楽聖」と称えられ、クラシック音楽に興味のない人でも、その名を知らない者はない。映画『アマデウス』は、天才モーツァルトの存在に苦悩する凡人サリエリの姿を描いて、アカデミー賞8部門を受賞した。どんなに努力しても追いつくことのできない、神に愛されし者。それがモーツァルトだ。

「自分の才能を本当に楽しむ前に、終わりがきてしまった」

NHK「ラジオ深夜便」の人気コーナー「絶望名言」に出演中の文学紹介者が、ビジネスと人生の“絶望”に効く名言を毎週お届けする。【火曜日更新】

ところが、そのモーツァルトが亡くなる前に、「自分の才能を本当に楽しむ前に、終わりがきてしまった」と手紙に書いているのだ。この手紙は誰に宛てたものかわからない(モーツァルトのオペラのうち3つ台本を書いたダ・ポンテへの手紙ではないかと言われている)。写ししか残っておらず、本当にモーツァルト自身が書いたものかどうかもわからない。しかし、この頃のモーツァルトの心境をよく表しているとされ、モーツァルトの書簡集にも収録されている。

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【「ぼくの葬(とむら)い歌」】

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