一方、為替介入には事前にアメリカ当局との意思疎通が必須とされる。この点、ベッセント財務長官は、20日、出席しているダボス会議で、日本の10年物金利の急ピッチな上昇について「アメリカの長期金利に換算して0.5%分に相当する」「日本からの波及効果を分離して考えることは非常に難しい」と、日本の金利上昇が世界のマーケットに波及していることを強調した。
さらに「日本当局が市場を落ち着かせる発言を始めることは間違いない」と厳しい発言も続けた。
また、1月12日、ワシントンDCで片山財務相と会談した際には、「為替の過度な変動が本質的に望ましくないことに留意し、金融政策の健全な策定とコミュニケーションが必要と強調した」と発言している。
アメリカは「為替介入前の利上げ」を求めている
これらの発言からは、アメリカ側は①日本の長期金利の急ピッチな上昇の影響は世界に波及しており、当局は対応が必要だ、②為替介入の前に利上げが必要だ、と考えていることが窺える。これはなかなかの難題だ。この点は、後で論じる。
では、円安を止めるにはどうすればいいのだろうか。
為替介入は実行できたとしても一時的な効果しか持たない。日銀の利上げは助けにはなるだろうが、トレンドを反転させるような円高にするためには、中立金利(景気を冷やしも過熱もさせない金利水準)までの速やかな利上げ、場合によってはそれを上回る利上げが必要となってくるかもしれない。
長期金利の上昇も避けられない。後で詳しく説明するが、10年物金利で2.5%はおろか、3%への接近も覚悟しなければならない。
こうなれば、住宅ローン金利が上がる、景気を冷やすといった景気循環的な弊害のみならず、国債利払い費、債務の持続性、財政の発動余地(フィスカルスペース)といった構造問題に決定的に重要な意味を持つ水準に到達することになる。
ベッセント財務長官が言う世界への波及効果も考慮する必要がある。
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