ロシア中銀が高金利政策を維持するもう1つの可能性を挙げるなら、為替レートの維持があると考えられる。ロシアの通貨ルーブルは、2022年2月のウクライナ侵攻で主要国から経済・金融制裁を科されて以来、不安定な地合いが続いている。ソフトカレンシー(信用力が弱い通貨)であるルーブルの相場を支えるためには、高金利が不可欠だというわけである。

ロシアの貿易黒字は強くない
ソフトカレンシーであるルーブルの特性に鑑みれば、貿易黒字もまた通貨高の推進力となる。とはいえ、上図の通り、ロシアの貿易黒字は、2022年のウクライナ侵攻で生じたヨーロッパでの歴史的なエネルギー高の時期を除けばほとんど増えていない。それどころか直近では2024年をピークに黒字幅は縮小、通貨を押し上げる力は弱まっている。
制裁を科される前であれば、金利が低くても貿易黒字が膨らめばルーブル高が進んだ。ソフトカレンシーとはいえ、ロシアからエネルギーを買っていたヨーロッパにとっても、ルーブルはある程度、需要がある通貨だったからだろう。しかしヨーロッパにとって、もはやルーブルは必要な通貨ではなくなった。ルーブルに昔のニーズはもうない。
つまり、実需面からのルーブル高圧力はかつてよりも弱まっている。ゆえに、ロシア中銀が高金利を続け、金融面からルーブル高誘導を図る必要があるのだろう。ではなぜルーブル高を図らなければならないのかというと、それはロシア経済の購買力を維持する必要があるからだと考えられる。具体的には、中国からの輸入量を維持したいわけだ。
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