写真集が売れに売れ、ラジオもリスナー多数　お笑いコンビ「マユリカ」はなぜ人気なのか？　有名女優もファンを公言

2020年8月に決勝戦を迎えた『第9回ytv漫才新人賞』では、中谷が新型コロナ患者と接触した「濃厚接触者」の疑いで棄権となり、目の前のチャンスを掴む機会さえ失った。

そんな状況を救ったのが、先輩芸人のYouTubeチャンネルだ。2019年からロングコートダディのゲーム実況（『ロングコートダディ和尚のゲーム念仏』）、2021年から見取り図の『見取り図ディスカバリーチャンネル』にたびたび姿を見せてファン層を拡大。

とくに見取り図の企画「芸人テレフォンショッキング」は、前述した不運エピソードに加えて、「口笛を吹きながら似顔絵が描ける」「中学・高校は体操部でバク転ができる」といった多彩な才能を持つ中谷、小学5年生のときに1年ほどオネエキャラを続けた阪本の話が展開されるなど、それぞれの個性を知る取扱説明書となっていた。

この出演を経て程なく始まったのが、冒頭で触れた『うなげろりん！！』だ。2021年7月から配信がスタートした同番組は、リスナーから熱烈な支持を獲得することになった。

ふたりの中核にある『うなげろりん！！』

前身番組は、『マユリカのうなされながら見た夢のあとで！』（ラジオ関西）。阪本が好きなモーニング娘。の楽曲「ランチタイム ～レバニラ炒め～」の歌詞からつけたタイトルだった。

2020年4月に月1回のレギュラー番組として放送を開始したが、番組改編で年4回の放送になったことを受け、同局制作のポッドキャスト番組としてリスタート。当時は、ふたりともネットラジオに疎く、「なにそれ？」「終わった」とショックを受けたようだ。

番組の制作費を捻出するため、Tシャツやエコバッグを販売。その流れで、阪本の冗談から始まったビキニ写真集『Perfect!!』を発売すると、瞬く間に在庫切れとなった。重版を繰り返し、現時点で累計発行部数7500部を超えるヒットを記録。誰も予想していない事態だった。

マユリカの写真集（写真：マユリカのうなげろりん！！公式Xより引用）

コロナ禍でネットコンテンツの需要が高まり、アイドルやアニメなどを夢中になって応援する「推し活」が世間一般に浸透し、男性同士の親密なつながりを意味する「ブロマンス」が注目を浴び、「優しい笑い」が求められる時代、『うなげろりん！！』は非常にフィットした。