太陽HD佐藤社長、取締役再任が反対多数で否決。筆頭株主のDICやオアシスなど大株主が相次ぎ反対を表明

太陽ホールディングス(HD)が21日午後に開いた定時株主総会で、佐藤英志社長(56)の取締役再任が反対多数で否決された。同社広報が明らかにした。
佐藤氏の再任を巡っては筆頭株主のDICをはじめ、香港のヘッジファンドであるオアシス・マネジメントなど大株主が相次ぎ反対を表明する異例の事態となっていた。創業家も反対の意向と、東京商工リサーチが4日付のリポートで言及した。
2011年から社長として太陽HDを率いてきた佐藤氏が株主の信任を得られなかったことで、同社は経営体制や戦略の変更を余儀なくされる可能性もある。
太陽HD広報によると、佐藤氏以外の取締役選任案は賛成多数で可決された。
対応の遅さや報酬に批判
同社はプライベートエクイティー(PE)ファンド数社から非公開化を含む資本提携の正式提案を受けており、特別委員会が8月以降に結論を出す見通しだと佐藤氏は13日のインタビューで明らかにした。
DICは提案に対する同社の対応が不十分と指摘し、オアシスは佐藤氏の報酬が高過ぎるなどと批判していた。太陽HDの有価証券報告書によると、前期(25年3月期)の佐藤氏の報酬総額は3億700万円だった。
佐藤氏の再任否決を受けて香港のオアシスは、太陽HDにとって同氏の存在は有害だとするオアシスの主張が株主の総体意思として追認されたことは喜ばしいとの声明を発表。総会の結果を精査し、大株主としてコーポレートガバナンス(企業統治)の改善と企業価値の向上に貢献していくと述べた。
太陽HDはプリント基板用インクで高いシェアを持つ。前期営業利益は前の期と比べ21%増の221億円だった。20日時点の時価総額は3747億円。
著者:吉田昂
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