新型RAV4に搭載された「アリーン」の正体とは?

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エンターテインメントは体験できるのだろうか、走行中に周囲の車両までもが目の前のモニターに映る「サラウンディングリアリティ」は使えるだろうか……など、期待がふくらんでしまう。

前出の担当者によると「どんなアプリを載せるかはトヨタ自動車がクルマによって決めていきます」とのこと。

ウーブン・バイ・トヨタが開発したアリーンは、繰り返しになるけれど、「土台」なのだ。

クルマだったらシャシーにあたるのがアリーンで、ボディがアプリ、といえばいいだろうか。

新型「RAV4」の発表会でデザイン統括のサイモン・ハンフリーズ取締役(左)とウーブン・バイ・トヨタの隈部CEO(筆者撮影)
新型「RAV4」の発表会でデザイン統括のサイモン・ハンフリーズ取締役(左)とウーブン・バイ・トヨタの隈部CEO(筆者撮影)

新型RAV4発表会の会場で、トヨタ自動車の担当者に確認すると「いろいろな将来性を考えられますが、まず重要だと考えているのは、安心・安全とその先の事故ゼロ社会の実現です」との答えだった。

事故ゼロ社会実現のためにアリーンがどんな役目を果たすのか。

「走行中のデータを収集して分析し、結果を車載ソフトウェアに反映することです」と、ウーブン・バイ・トヨタの隈部肇CEOは話す。

たとえば、ADAS(運転支援システム)の機能を向上させ、それを車載システムに反映させていくことも、そのひとつだ。

アリーンについてプレゼンテーションを行う隈部CEO(筆者撮影)
アリーンについてプレゼンテーションを行う隈部CEO(筆者撮影)

またADAS担当者は、次のように説明する。

「事故のデータでいえば、最近ニュースで取り上げられることの多い追突事故。事故に巻き込まれたときだけでなく、周辺にいた車両からの“生データ”を集めて処理することで、これまで以上に効果的な予防対策をADASのシステムに組み込むこともできると考えています」

4つの「ドメイン」で開発

アリーンでは、開発したソフトウェアを早いタイミングでOTAにより車両にインストールでき、そのフィードバックを収集することができるので、スピーディに次の改善に着手できる。

「ループが速く回ります」とは、トヨタ自動車デジタルソフト開発センターの皿田明弘センター長の言だ。

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