なぜジャズを流すラーメン屋が多いのか

そこには5つの隠れた理由がある

■ジャズとラーメン屋の色は似ている?

ジャズのイメージ。それは楽器の色が伝えてくれることもある。ピアノの黒、ベースの濃い茶、ドラムのシルバー、サックスやトランペットのゴールド。そして女性ヴォーカルの唇の色、赤。モダンなラーメン屋では、黒や濃い茶などの内装が施されているように思う。暖簾(のれん)は赤。そんな空間でラーメンは、きらきら光るスープと、どんぶりのコントラストで存在感を発揮する。ラーメン屋は、ジャズのカラーと重なる部分が多々あるように思う。

■いずれも“匠”の世界である

こだわりのラーメン屋では、匠ならではの美しい手際を目にすることがある。湯切りなどの技には、その所作からも熟練された技術を感じる。一方でジャズもまた、ステージでテクニックの応酬を披露する、匠の音楽だ。ラーメン屋が“なんとなく”ジャズにシンパシーを感じるのは、自然なことなのかもしれない。

■ジャズは歌詞が頭に入ってこない?

ジャズは、楽器演奏が主体の音楽。歌はあっても、歌詞は外国語である。日本人が聴いていても、それほど直接的に頭には入ってこないのではないだろうか。私たちが日本人である以上、日本語の歌詞のメッセージ性に耳を奪われることはある。たとえばそれが男と女の駆け引きだったなら、ラーメンに集中している時間にふさわしいものと言えるだろうか。

こだわりのラーメン屋は無意識下で気づいていた

なぜ、ジャズを流すラーメン屋が多いのか? 今回の考察では、イメージや印象という抽象的な理由で検証した。具体的な理由を期待していた方もいるかもしれないが、イメージは何かを表現するうえでは、欠かせないツール。そのことに、こだわりのラーメン屋は無意識下で気がついている。

たとえば、フランスで修業した熟練のシェフが腕を振るってフレンチを作り、イメージとかけ離れた中華どんぶりで出したなら、その価値を損なうだろう。そのことを知らない料理人はいないはず。自らのイメージを実現させるために、ラーメン屋は自然とジャズを選んでいるのではないか。

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