救急医療の第一線で活躍してきた東大の医師が語る「理想の最期の迎え方」と「知っておきたい薬の本当のこと」

✎ 1 ✎ 2
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
窓辺に立つシニア女性
いつか必ずやってくる最期の時をいかに迎えるのか、そしてその最期の時まで、いかにして私たち人間が生きていくべきか――(写真:nonpii/PIXTA)
長年、東大病院の救急部・集中治療部の部長として、最先端の救急医療に携わってきた東大名誉教授で医師の矢作直樹氏。
多くの経験を経てたどり着いた独特の人生哲学と死生感を持つことで知られ、東大病院を任期満了で退任してからは、累計100万部超となる書籍や講演活動を通じ、変容し続けるこの不安定な時代に、私たちが生きる指針となる“不変の智慧”を、わかりやすいメッセージとして送り続けている。
本稿では、そんな矢作氏の入門書、かつ真骨頂でもある待望の新刊『東京大学名誉教授 矢作直樹の言葉 やすらぎの世界(こころ)は過去と未来を超えて』より一部抜粋・編集し、現代を生きる私たちが、1人の人間として、ビジネスマンとして、日々の営みの中で取り入れるべき、不変の“心と体の在り方”を徹底解説する。

薬は「治すもの」ではない?

薬との関係は、ひと言では語り尽くせない複雑さがあります。なぜなら薬というものは、使う状況や目的によって、その意味も評価も大きく変わるものだからです。

「すべて否定する」「すべて信じる」といった極端な姿勢ではなく、1つひとつのケースに応じて、慎重に判断していくことが大切です。

まず、薬の本質について考えてみましょう。

西洋医学で使われる薬の多くは、人工的に合成された成分から成り立っていますが、それらが病の“根本”を治しているかといえば、必ずしもそうではありません。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事