救急医療の第一線で活躍してきた東大の医師が語る「理想の最期の迎え方」と「知っておきたい薬の本当のこと」

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私は毎年、節目ごとに山に入ります。とくに二十四節気で季節の転換点にあたる時期には、できるだけ山々へと足を運ぶようにしています。山に入るたびに感じるのは、「自分は大いなる存在に生かされているんだなあ」という感覚です。

「自然とつながって生きる」こと

本来、生きとし生けるもの、動植物はすべて、生まれては死に、やがて土に還っていきます。そうした生態系の大きなサイクルの中で生きているのは、人間も同じです。

『やすらぎの世界(こころ)は過去と未来を超えて』
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自然とつながって生きることは、生死を超えて在ることでもあり、大きな循環の中に「自分が在る」ということを思い出すことなのです。

古代の日本人は、すべてのものに神性が宿る「アニミズム」の感性をもち合わせていました。その頃の人々は、自然を尊重し、ともに生きていました。大宇宙のリズム、自然界のエネルギー、そして目には見えない存在とともに在る、そんな共生の感覚を大切にしてきたのです。

今一度、この自然を敬い、今自分が「この地に生きている」ことに対して感謝する。人間も自然の一部であることに思いを馳せるだけで、私たちは大いなる存在に生かされているという感覚を、ふたたび取り戻すことができるのです。

矢作 直樹 東京大学名誉教授/医学博士

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やはぎ なおき / Naoki Yahagi

1956年、神奈川県生まれ。1981年、金沢大学医学部卒業。その後、麻酔科を皮切りに救急・集中治療、内科、手術部などを経験。1999年、東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻および同大学工学部精密機械工学科教授。2001年、東京大学大学院医学系研究科救急医学分野教授および同大学医学部附属病院救急部・集中治療部部長。2016年3月に任期満了退官。著書に『人は死なない』(バジリコ)、『天皇』(扶桑社)、『「ねばならない」を捨てて生きる』(幻冬舎)、『自分を好きになる練習』(文響社)、『そろそろ、自分を解放する』(KADOKAWA)、『幸せに生きるための心持ちと食』(青林堂)、『あらゆるストレスが消えていく50の神習慣』、『神様からのお便り』(ともにワニブックス)など多数。

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