うるう年要因による所定内給与の伸び悩みのメカニズムについては、労働時間の影響が大きいという見方がもっぱらである。2024年がうるう年だったことで2025年2月の労働時間の前年同月比が小さくなりやすかった。
一般的には所定内給与は固定給とされ、労働時間に連動しないケースが多いとみられるが、所定内給与が労働時間に連動する契約体系も存在するとみられ、うるう年の影響が排除できないようである。
また、給与が決定するタイミングと支給タイミングについても企業によって差があるため、2月の労働時間の変化が3月の給与にも反映され、3月分も所定内給与に影響を与えたもようである。
特殊要因を抜いても弱い労働時間
他方、うるう年要因が剥落した4月分も弱めの結果となった。この背景もまた、所定内労働時間の動きが影響している可能性が高い。
4月の所定内労働時間は前年同月比マイナス1.2%となり、うるう年による特殊要因を除いても弱い。

さらに、所定内労働時間の弱さは景気の弱さと連動しているようにみえるため、国内景気やトランプ関税の影響次第では労働時間には下振れリスクもある。
うるう年要因の考察で議論したように、少なくとも毎月勤労統計調査では、労働時間の減少が所定内給与の数字を押し下げるようである。労働時間の影響が考慮されない(事前の交渉ベースの)春闘賃上げ率の数字に対して、毎月勤労統計の賃金データが弱めに推移する可能性が高そうである。
今後、毎月勤労統計調査の所定内給与の前年同月比が2025年4月の水準(プラス2.2%)から変わらない場合、年後半の実質賃金はどのようなパスを辿るだろうか。
ここで、インフレ率がESP調査の見通し通りに推移した場合、2025年末には約2.0%に低下することになる。足元の円高・原油安の影響により、2025年中に実質賃金の前年同月比がプラス化する可能性は高そうである。
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