見て覚えろ、は無理。マニュアルがないのはあり得ない。「普通こうでしょ」Z世代から上の世代への強烈な違和感

「お互いに悪意はないのに、すれ違うコミュニケーション」を「見える化」し、解決方法をお伝えします(写真:tabiphoto/PIXTA)
「Z世代は何を考えているかわからない」――。そんな迷いを抱えるマネジメント世代も多いのではないだろうか。
何を考えているかわからない、となると、どう接していいかわからないものだが、実際のリアルな姿を知れば、なんだそうだったのか、と拍子抜けすることも多く、なによりお互い深刻にならずにすむ。
『Z世代コミュニケーション大全』を上梓した野村総合研究所でコンサルタントとして消費者マーケティングに携わる松下東子氏が、アンケートやヒアリングなどの豊富なデータに基づき、「お互いに悪意はないのに、すれ違うコミュニケーション」を「見える化」し、どうすればすれ違いが解決するか?について具体的にお伝えする。
いまどき見て覚えろって、引く
Aさんは今年大学を卒業し、IT関連企業に入社した社会人1年生。学生時代はコロナ禍でさんざんだったが、社会人になってからでなくて助かったとも思っている。少し上の先輩たちは仕事を教わるのも苦労したみたいだが、今はちゃんとインストラクターやチームリーダーが対面で、仕事を手取り足取り教えてくれる。
「ここはこういうふうになっていて、ここはこうつまずくことも多くて」ってやってみせながら丁寧に指導してくれるのはありがたいけど、「マニュアルないんですか」って聞いてしまったら、少し嫌な顔をされた。
でも、全体像がわからないまま口頭で伝授するのって非効率的だし、コロナ禍のときみたいに対面で伝えられないときだってある。人によって伝えられる情報量も違うから公平でもない。いまどき「見て覚えろ」って、ちょっと引く……。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら