参院選後を見据えて"3頭体制"が復活か、岸田前首相「まさかの再登板説」にザワつく混沌政局の行方
6月8日にフジテレビの報道番組に出演した岸田氏は、立憲民主党が内閣不信任決議案を提出した場合の対応について、「どう対応するかは石破首相が政治生命をかけて判断する話で、その判断を尊重するしかない」と強調した。これは、自民党内で強まる「不信任案の採決を待たずに衆院解散・総選挙に踏み切るべきだ」との声についても容認する立場を示したと受け止められている。
そのうえで岸田氏は、衆参ダブル選での自民の勝算について「世の中の雰囲気もしっかり頭に入れておかないといけない。1つひとつの選挙区情勢、野党がどれだけまとまっているか、まとまっていないかといった具体的な判断になる。その積み上げになると、微妙な戦いになるのではないか」と、厳しい戦いになるとの見方を示した。
さらに、国民が注目するコメ価格高騰対策をめぐって見解を求められると「価格対応だけでは今後の見通しは立たない」と指摘。政府が設置したコメの安定供給に関する閣僚会議で、高騰が生じた要因の検証も行うべきだと主張した。
ここ数年のコメ価格の推移を振り返ると、岸田政権時代にコメ価格は1.8倍になり、さらに石破政権に代わって1.3倍になっている。これも踏まえた質問に対し、岸田氏は「価格はご指摘のような推移をたどったが、その中で(小泉)大臣の政治判断で随意契約による販売を決定、その5日後には販売が開始された」と指摘した。
そのうえで岸田氏は「国民の気持ちに寄り添った対応で、成果は一定評価できる。(これからも)よりスピード感を持って対応しなければならない」と、小泉農水相の対応を高く評価した。
参院選後をにらみ自ら「3頭体制」復活に動く
こうした一連の岸田氏の発言を多くのメディアが報じる背景には、岸田氏と麻生、茂木両氏との再接近の動きがあることは間違いない。
岸田政権時代に党中枢として「3頭体制」とも呼ばれた3氏の連携だが、昨秋の党総裁選で対応が割れ、疎遠になったとされる。その3氏が再接近の構えを見せるのは「次期参院選後の政局を見据えての動き」(同)とみる向きが多い。
年明け以来、会合を重ねてきた3氏は、会期末政局の緊迫化と合わせるように5月28日夜、都内の日本料理店で会食した。表向きには3氏の会食は3月以来とされ、今回は参院選情勢やトランプ関税をめぐる日米交渉などについて意見交換したされる。
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