ついに「EV化」に言及! 歴代4人の主査が語る「ロードスター」のあるべき姿とEV化の正当性

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続けて「ただ、ピュアガソリンエンジンのロードスターは、できるだけ長く売りたいというのが本音なので、これから先、厳しい規制対応にどれだけ耐えられるか。少なくとも、(四輪車加速)走行騒音規制フェーズ3は対応できる。国内はあまりハードルが高い規制はないので、当分いける」という。

200台限定発売「マツダスピリットレーシング・ロードスター12R」と齋藤茂樹(筆者撮影)
200台限定発売「マツダスピリットレーシング・ロードスター12R」と齋藤茂樹主査(筆者撮影)

「四輪車加速走行騒音規制(R51-03)」は、国連欧州経済委員会・自動車基準調和世界フォーラム(WP29)によって定められており、2016年のフェーズ1から段階的に規制が厳しくなっている。

2026年からのフェーズ3は対応が難しく、ピュアガソリンエンジンを搭載するスポーツカーの生産継続を諦めるメーカーもいるほどだ。

ロードスターのEV化はいつ行われるか?

そのうえでNDの先、つまり「NEをEV化するべき」という見解の理由は何か?

これについて齋藤氏は「ハイブリッドにすると、モーターやバッテリーを搭載する必要があるが、それは多分、いまのプラットフォームではできない。それをやるくらいなら、世の中が(大きく)EVになるタイミングで、一気に変えるほうがいいんじゃないかと僕は思っている」と言い切る。

これまで齋藤氏とは、さまざまな機会にロードスターの進化について意見交換してきたが、ここまではっきりとEV化に言及したのは初めてだ。

先の「ロードスター12R」の運転席に座る齋藤茂樹主査(筆者撮影)
先の「ロードスター12R」の運転席に座る齋藤茂樹主査(筆者撮影)

一般的にNEの可能性としては、マツダがワークス体制で参戦しているレースシリーズ、「スーパー耐久」参戦マシンに採用するカーボンニュートラル燃料を採用した内燃機関、またはモーターをエンジンのアシストに使うマイルドハイブリッド(MHEV)を想定する話が、メディアでは主流である。

では、仮にNDをできるだけ長く生産し続け、そしてNEへと大転換するのはいつか?

この点を考えるうえで、少しだけ時計の針を戻す。

2021年6月に行った「中期技術・商品方針説明会」で、マツダの最高技術責任者(CTO)の廣瀬一郎氏に対して、筆者は「ロードスターは永遠に不滅か?」と聞いた。

これに対して、廣瀬氏は「2030年までに全モデル電動化というロードマップにロードスターも含まれている」と答えている。

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