【量産初のEVは軽自動車だった】BYDが軽EV市場参入を表明、迎え撃つ日産「サクラ」と三菱自「eKワゴンEV」、ホンダ「N-VAN e:」の動向と展望
ほかに軽商用EVでは、ASFというファブレスメーカーの参入がある。ファブレスとは、自社工場は持たず、企画・設計・開発した商品を委託製造する事業だ。ASFは、2023年に佐川急便とマツキヨココカラ&カンパニーへ納車を開始した。
以上のように、軽EVの存在は決して小さくはない。では、現状はどうか。
軽EVの販売状況

軽乗用EVで売れ筋の日産サクラは、直近の4月の販売台数は721台だが、3月には2008台を売っており、あと少しでベスト15位以内に入れそうな台数だった。2023年には、月に3800台ほど売れていた時期もあるが、今は2000台前後での推移となっている。それでも発売から約2年半を経て、街中でサクラが行き交うことが稀ではない状況になっている。
日産広報は、「2023年度以降はガソリン車から乗り換えるお客様が増えてきた」と言い、「まだEV希望のお客様に行きわたったという状態ではない」と見ている。このため、「戸建て住宅など自宅で充電できるお客様がまだ多くいらっしゃるので、サクラの、軽を超えた走行性能やEVの利便性を訴求していきたい」と話す。

三菱自のeKクロスEVの4月販売台数は82台という数字だ。しかしこれも、3月以前の月には200台前後を売っている。サクラに比べると少なく感じるが、三菱自の販売店舗数は日産の約1/4なので、拠点数が限られるなかではそれほど低い数字ではないのではないか。2023年には、1500台以上売った月もあった。ただ、サクラと違ってeKクロスEVは、エンジン車のeKクロスと外観に差がほとんどなく、EVであることを示すバッジを見ないと区別がつきにくいため、街中を走る様子も気づきにくさがありそうだ。
三菱自はほかに、ミニキャブEVの販売も加わる。
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