【量産初のEVは軽自動車だった】BYDが軽EV市場参入を表明、迎え撃つ日産「サクラ」と三菱自「eKワゴンEV」、ホンダ「N-VAN e:」の動向と展望

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一方のi-MiEVは、改良を重ねながら2021年まで販売された。そのあとを受け継ぐ形で、2022年にeKクロスEVと日産サクラが誕生する。つまり、軽EVは、もっとも長く販売され続けるEVでもあるのだ。

商用車とEVの歩み

現行モデルのミニキャブEV
現行モデルのミニキャブEV(写真:三菱自動車工業)

三菱自はまた、i-MiEVのほかに、そのモーターやバッテリーを活用し、軽商用EVを開発し、販売した実績を持つ。

まず登場したのが、2011年の「ミニキャブMiEVバン」で、翌年には「ミニキャブMiEVトラック」が追加された。ただし、トラックのほうは、2017年に終了となった。軽トラックの需要は一次産業の農家などで顕著だが、作物の収穫などで畑から畝(うね)を超えて農道へ出る際、4輪駆動であることが望まれ、ミニキャブMiEVトラックはその対応が構造的にむずかしかったためである。

EVバンのほうは、2021年まで生産され、一旦製造を中断したが、その後、eKクロスEVの技術を適用し、「ミニキャブEV」の車名で販売が再開されている。

軽商用EVとしての活躍はわかりにくかったかもしれないが、たとえば、ミニキャブMiEVの時代に日本郵政に5000台以上納入し、ミニキャブEVとなってからも3000台を受注しているとのことで、赤い車体のミニキャブMiEVやミニキャブEVがじつは街を駆け抜けている。

ホンダの商用軽EV「N-VAN e:」
ホンダの商用軽EV「N-VAN e:」(写真:本田技研工業)

商用としても軽EVはじわじわと浸透しているといえるのではないか。そこに目を付けたひとつが、ホンダ「N-VAN e:」だろう。また、ダイハツが開発した軽商用EVがあり、これをトヨタとスズキがOEM供給を受けて市場導入することになっている。ただしこちらは、型式指定申請における不正問題があり、今年度中の販売がようやく確定した。

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