ブッフェで大皿に見ばえよく盛る人ほど太るのはなぜか?皿の大きさはカロリー摂取量に影響していた
食事を終えて箸を置くのは、どんなときでしょうか。
心おだやかに料理を口に運んでいると、お腹が心地よくふくれてきます。やがて、これ以上食べたら苦しくなるよという、かすかなアラームが鳴るのを感じて、「おいしかった。ごちそうさま」と、幸せな気分で席を立つ。
こんなふうに、胃と脳が発するシグナルに従っていれば、食べすぎることはないでしょう。
しかし、これらのシグナルは優しくて、控えめです。だから、何かに気を取られていたり、頭の中が考えごとでいっぱいになっていたりすると、シグナルを聞き逃してしまいます。
これが起きるのが「ながら食べ」です。少し前ならテレビや新聞、昨今であればスマホを見ながら、もしくは仕事の書類を読みながら、思い出したように機械的に箸を動かしていると、自分がどれだけ食べたかがあいまいになり、つい食べすぎてしまうことがわかっています。
仕事をしながら食べるとなぜ太るのか
ブラジルで実施された研究で、18~28歳の人たちを3つのグループに分けて、1つのグループには食事に集中してもらい、もう1つにはスマホを使いながら、もう1つには書類を読みながら食事するよう指示しました。
食事はクッキー、チョコレート、ヨーグルト、フルーツ、トーストなどを自由に食べる形式です。
すると、食事に集中した人のカロリー摂取量が平均で540キロカロリーだったのに対し、スマホグループは590キロカロリー、書類グループは620キロカロリーでした。
仕事しながら食べることで、カロリーを15%も多く摂取してしまうのですね。
書類を読むほうが、スマホを見るより悪影響が大きかったのは、より集中力を求められる行為であるため、それだけ気を取られたからでしょう。
こんな実験結果もあります。鶏の手羽先を素揚げにして、ピリ辛ソースをからめたチキンウイングという料理を好きなだけ食べてもらいました。
このとき、食べ終わったチキンの骨をテーブルからどんどん下げると、骨をそのまま残した場合と比べて、参加者はチキンを30~40%多く食べたそうです。
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