1億2890万円のエクストリーム(究極)な「アストンマーティン」は誰のためのどんなクルマか?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

エグゼクティブチェアマンの立場にあるカナダの投資家ローレンス・ストロールは、性能をベースに考えた理想的なアストンマーティンでなく、収益を上げる構造を強固にしたい考えだそう。

「量産車でいえば、これからも状況が許せば12気筒エンジンのGTを作り続けたいし、DBXのようなSUVも必要です。さらに、3本目の柱としてヴァルハラのようなハイパースポーツが重要だと考えています」

そして「Qが行うビスポークサービスも大事です」と、ベネッツ氏はつけ加えた。

前ヒンジで大きく跳ね上がるドアをそなえている(写真:Aston Martin)
前ヒンジで大きく跳ね上がるドアをそなえている(写真:Aston Martin)

港区青山1丁目交差点近くの「アストンマーティン青山ハウス」に持ち込んだヴァルハラは、ホワイトの車体にオレンジのアクセントラインをもった仕様だった。

レーシングカー然とした中に、エレガンスを感じさせる。「Qのサンプルとして見てもらえれば」とのことだ。内装はかなりレーシングカーっぽい。どんな仕様でも「Q」が望みのとおり仕立ててくれるという。

カーボンファイバーの素材感が強調されていて、シートは角度固定式。スライド機構も持たないかと思いきや、前後スライドは可能だった。メーターパネルと、その隣にもうひとつ液晶のコントロールパネルがそなわる。

レーシーながらエアコンなどの快適装備はもちろんそなえる(写真:Aston Martin)
レーシーながらエアコンなどの快適装備はもちろんそなえる(写真:Aston Martin)

日本も「重要な日本市場」として

アストンマーティンは従来、オーソドックスなレイアウトのスポーツカーを得意としてきた。フロントに大排気量・多気筒エンジンを搭載した後輪駆動の2人乗り、あるいは「2+2」のDBシリーズだ。

それを魅力と考えてきた顧客層にとって、ヴァルキリーやヴァルハラはどう捉えられるのだろう。あるいは、「DB12」とか「ヴァンキッシュ」を持つ人に、これからヴァルハラを売り込もうというのか。

「両者は違う層」だと、ベネッツ氏はいう。

「あらゆるところに凝って作ったヴァルハラに興味を持つのは、テクノロジーや金融といったスタートアップ企業の若いオーナーだと考えています」

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

別の方向から見れば、高価でも代価としての価値がある内容のハイパーカーを作り、若い富裕層へのアピールを図っていくことが、いまのアストンマーティンに求められているのだ。

「重要な日本市場」(ベネッツ氏)にも数人のオーナーが、すでに存在するという。

【写真】アストンマーティン青山でお披露目された「ヴァルハラ」のディテールを見る
小川 フミオ モータージャーナリスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おがわ ふみお / Fumio Ogawa

慶應義塾大学文学部卒。複数の自動車誌やグルメ誌の編集長を歴任。そのあとフリーランスとして、クルマ、グルメ、デザイン、ホテルなどライフスタイル全般を手がける。寄稿媒体は週刊誌や月刊誌などの雑誌と新聞社やライフスタイル誌のウェブサイト中心。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事