1億2890万円のエクストリーム(究極)な「アストンマーティン」は誰のためのどんなクルマか?

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こちらも開発にはレッドブル(レッドブル・アドバンスドテクノロジーズ)が関わっていて、空力ボディの設計は、当時レッドブルで仕事をしていたエイドリアン・ニューウェイ。ここもヴァルハラとの共通点だ。

ヴァルキリーは、レーシングエンジンで知られるコスワースが開発した6.5リッターV型12気筒エンジンをミドシップする後輪駆動。設計と素材の選択に、アストンマーティンの開発チームは努力を傾注したとされる。

「ヴァルキリー」は「ヴァルハラ」以上にレーシングカー然としている(写真:Aston Martin)
「ヴァルキリー」は「ヴァルハラ」以上にレーシングカー然としている(写真:Aston Martin)

ほぼサーキット専用車のため、重増を招くハイブリッドシステムは非搭載。865kW(1160ps)の最高出力と900Nmの最大トルクで、1270kgの軽量な車体を走らせる。

3.5Gという加速Gを発生する、おそろしいほどの加速もこのクルマの特徴だ。

1億2890万円で限定990台を生産

ヴァルハラのドライブトレインは、V8エンジンと3つの電気モーターで構成。前輪を駆動するために2つのモーターを使い、もうひとつは前記のとおりデュアル・クラッチ・ギアボックスに組み込まれ、リアの駆動に加勢する。

前後輪の駆動力配分は、電子制御。「インテグレーテッド・ビークルダイナミクス・コントロール」と「インテグレーテッド・パワーブレーキシステム」でコントロールされる。

前述のEデフは、左右輪の最適駆動のため電子制御のディファレンシャル・システムだ。

エンジンを乗員の後方に搭載するミドシップであることがよくわかるサイドビュー(写真:Aston Martin)
エンジンを乗員の後方に搭載するミドシップであることがよくわかるサイドビュー(写真:Aston Martin)

プラグインハイブリッドのためエレクトリックモードがあり、電気のみで前輪駆動走行が可能(といっても10kmを少々超えるぐらい)。駆動用バッテリーが規定量を下回ると、エンジンが始動して充電を開始する。

2021年のヴァルキリーは、250万英ポンド(1英ポンド=190円として約4億7000万円)の価格で、限定150台が即日完売状態になったという。

それに比べると今回のヴァルハラは、価格も1億2890万円と低く(あくまでヴァルキリーと比べて)、限定とはいえ999台が作られるので、まだ手に入れるチャンスがある。

しかも、ヴァルキリーと異なり公道を走ることができる。

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