どれだけ乗っても「週5000円以内」シドニー鉄道旅 海外は物価高いが交通費は?日本とどう違うのか

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ただし、抜け道もある。国内線ターミナル駅の1駅手前にあるマスコット駅を介して路線バスを利用すると空港駅利用料が加算されず、マスコット駅には「エアポートリンク」という表示もある。路線バスで国内線ターミナルへ、さらに無料バスで国際線ターミナルへも行けることは行けるのである。

筆者も体験してみたが、SNSなどで広がっているのか、大勢の中国人観光客がこのルートを利用していて驚いてしまった。

【写真を見る】実際に行ってみないとわからない、シドニーではどんな公共交通が走っているのか?トラムはパンタグラフを上げて充電しながら走行、中心街では架線がないため景観がすっきり。メトロは無人運転だ。日本と何がどう違うのか?

全席指定席の特急列車も価格はリーズナブル

「オパル」カードでの運賃上限が週5000円となるのは、鉄道、バス、船と広範であるが、全車指定席の列車、長距離バス、シドニー市内を巡回するオープントップ観光バス、観光船はその範囲に含まれない。これらの交通機関を利用する場合は、そもそも「オパル」カードは利用できない。

全席指定の列車とはXPT(eXpress Passenger Train)のことで、州を越えてお隣のヴィクトリア州のメルボルンやクイーンズランド州のブリスベンまでも運行する長距離列車である。寝台車も1両連結しているので、夜行列車にも使われる。両端のディーゼル電気機関車が客車を挟み込んだプッシュ‐プル編成だ。

この車両はイギリスの初代高速列車インターシティ125(時速125マイルの意で時速200km)と呼ばれたHST(High Speed Train)のオーストラリア版であるが、オーストラリアでは日本の在来線特急くらいのスピードで運転していて、高速列車ではない。

筆者はシドニーからニューカッスルに行く際、片道はこのXPTを利用したが、その運賃は163kmの距離に対して2400円、日本風にいえば乗車券+指定席特急券になるので、物価高の国とはいえ、リーズナブルな価格に思えた。

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谷川 一巳 交通ライター

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たにがわ ひとみ / Hitomi Tanigawa

1958年横浜市生まれ。日本大学卒業。旅行会社勤務を経てフリーライターに。雑誌、書籍で世界の公共交通機関や旅行に関して執筆する。国鉄時代に日本の私鉄を含む鉄道すべてに乗車。また、利用した海外の鉄道は40カ国以上の路線に及ぶ。おもな著書に『割引切符でめぐるローカル線の旅』『鉄道で楽しむアジアの旅』『ニッポン 鉄道の旅68選』(以上、平凡社新書)などがある。

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