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サントリービバレッジが自販機のキャッシュレス化を加速、端末「ジハンピ」を一から設計、メーカー任せにしない現場の創意工夫が結実したわけ

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「ジハンピ」アプリに対応したサントリーのキャッシュレス自販機(撮影:今井康一)

「自販機は本来、“どこでも買える”“すぐに買える”という魅力を持つ身近な小売店だったはず。こんな不便なもの、もはや自販機ではない」。ただでさえ自販機台数は年々減り続けており、このままでは市場自体が消えてしまう。そんな危機感を覚えた井上さんは、とにかく速くてシンプルな決済サービスの開発に踏み切った。

井上さんが考えた自販機決済の課題は2つ。そもそもキャッシュレス対応機が少ないことと、対応していても操作が複雑であることだ。

ジハンピ導入前の時点で、サントリーの自販機のキャッシュレス対応率は2割程度。業界平均の約4割(サントリー推計)に後れを取っていた。

要因は、端末導入にかかる高いコストだ。自販機ビジネスには、メーカーが電気代などの運用コストを負担する商慣習がある。機材費や専門業者による端末設置費用などもかさむため対応すれば赤字になることが多く、オーナーからの要望に応えられない状況が続いていた。

そのうえ、業界にはキャッシュレス端末が10種類以上存在しており、それぞれ操作方法やスマホのかざし方、かざす場所などが異なる。キャッシュレスに対応できていたとしても、操作の難しさが消費者を遠ざけていた。

この2つの課題を一気に解決するのがジハンピだ。

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