「体育会系」学生3名のリアルな声、学業や就活との両立は?プロか就職か…? 卒業控えた運動部学生、三者三様の課題を聞く
富士大学 ハンドボール部
(写真は本人提供)
「学業との両立に悩んだ経験はあります。平日に大会があることも多く、公欠届を提出して講義を休めば公欠扱いにはなるものの、欠席が多いと担当の教授から悪い印象をもたれることもあるため、成績は上がりにくかったですね」
部活動は週6日。平日は17時半から19時半までで、土日は午前練が基本だ。水野さんの担当ポジションは人数が少なく、1〜2年生から先輩にまじってプレーしていたこともあって練習を休みにくく、何よりも部活動を優先することが多かったそうだ。
「監督からも『部活動に集中してほしい』という気持ちは感じるので、学業や就活のために何度も休むのは難しいと感じていました。説明会はほぼ部活動と日程が被ってしまい、オンライン参加を中心に選んだこともあって、現地参加はあまりできなかったです。また、同じく就活中の同期とは予定を共有しあい、練習を欠席する日が被らないように気をつけています」
普段から、「今は部活動に集中、オフの期間は勉強に集中」と期間を決めてメリハリをつけて活動してきたという水野さん。就活については、強豪の部活動ほど指導者の理解が必要になるだろうと語る。
(写真は本人提供)
「監督が『行ってきていいよ。その分、次回の練習は頑張ってね』、と言ってくれれば、素直に受け止められると思います」
一方で、10年以上取り組んできたハンドボールの経験は、就活においても自身の大きな強みになりそうだ。
「人生の半分以上競技をしてきているので、やはりこれまでの経験は自己PRに盛り込みたいです。ストレス耐性や責任感、協調性はもちろんのこと、自分の立場を考えて人間関係の対立を解消したり、課題に対して問題の根本をひもといて解決に導く力は鍛えられたと感じています。これらを言語化してアピールできたらと思っています」
水野さんは卒業後も何らかの形で、ハンドボールやスポーツは続けたいと語ってくれた。
マネージャーならではの「強み」は人事担当にも刺さる
3人目は、國學院大學アルティメット部でマネージャーを務める4年生の岡村日菜子さん。高校生までは陸上部で選手をしていたが、病気で競技から退くことに。それでも、社会人になる前にスポーツを通じて仲間たちと頑張りたい、選手とは別の形でスポーツに関わり続けたいと考え、大学ではマネージャーとして部の運営に携わってきた。
國學院大學アルティメット部 マネージャー
(写真は本人提供)
岡村さんの学科では履修選択の自由度が高く、オンライン授業を中心に、部活動に支障が出ない履修を組んで工夫したことで、学業との両立に苦労することはそれほどなかったという。しかし、1年次は土曜日に必修講義があり、大会に遅れて合流しなければならないなど心苦しい思いもした、と岡村さんはふり返る。
就活は3年生の10月ごろから本格的にスタート。それまでもインターンに参加するなど、重要なポイントを押さえて活動してきた。そのかいもあり、岡村さんはすでに複数社から内定が出ているという。
「マネージャーとして、周りを見る力や、仲間と協力して課題解決をする力、自主的に工夫する力などがついたと思います。マネージャーの仕事は、選手が競技に集中できる環境づくりやパフォーマンス向上のための録画や記録など多岐にわたります。面接でも興味を示していただくことが多く、アピールになったと感じています。私自身、元々は内向的な性格だったのが大学に入ってから社交的になったと感じています。これも部活動によるところが大きいですね」

















